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第4回 証券税制改正で軽減税率廃止、税率アップを乗り切ろう

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< 2 > ◆期間限定連載◆「知っていればちょっと得する投資と税金の知識」第4回
「証券税制改正で軽減税率廃止、税率アップを乗り切ろう!」
前回は、FX取引の利益は最高税率50%?
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今回で「知っていればちょっと得する投資と税金の知識」は最終回です。資産運用に関する税金そのものの話とは少し毛色を変えて、証券税制の改正に個人投資家としてどう向き合うか、を考えてみたいと思います。

昨年の12月中旬、自民党より「平成20年度税制改正大綱」が発表されました。この税制改正大綱は、いわば次年度の税制改正事項の草案です。ここに記された内容につき、国会決議を経て次年度の4月以降から、税制改正が実施されます。

平成20年度は、ガソリン税の暫定税率をめぐる与野党の議論が活発化していることからもお分かりの通り、いわゆる「ねじれ国会」の状態にあります。2月29日に税制関連法案が衆議院を通過しました。しかし、野党が過半数を占める参議院での与野党の論戦はこれからです。自民党が提出した税制関連法案がこのまますんなり通るかどうか、まだまだ予断を許しません。

しかし、例年は、与党である自民党が発表する税制改正大綱とほぼ同じ内容で、実際に次年度の4月以降から税制改正が行われることになります。

自民党発表の平成20年度税制改正大綱によれば、個人投資家にとって最も気になる証券税制は、以下のような改正が盛り込まれています。
・上場株式等の売却益、配当金にかかる税率を10%に軽減する措置は2008年をもって廃止し、2009年より20%の税率とする。(注)
・ただし、経過措置として、2009年~2010年に限り、1年当たり500万円以下の部分の売却益と、100万円以下の部分の配当金については10%の軽減税率を維持する。(注)
・2009年より、上場株式等の売却損と配当金を損益通算することを可能にする。(つまり、上場株式等の配当金を売却損と相殺して、税額を減らすことができる)

このように、上場株式等の売却損と配当金を損益通算することはプラス材料ではあるものの、・・・・。

現在10%である上場株式等の売却益や配当金に対する税率が、20%になってしまうのは明らかに悪材料です。個人投資家の中には、「税率が20%にアップするのなら株式投資をやめる」と考えている人もかなりの割合にのぼるようです。
そして、税率が20%にアップする前に、低い税率のうちに持ち株を売却しておこう、という動きが出るでしょう。そうすれば、大きな売り圧力となり、株価下落の大きな要因となります。さらに、それに乗じて、空売りにより株価を売り崩して利益を得よう、とする投資家も現れるかもしれません。

しかし、いつまでも悲観的に考えるのはやめましょう。もしも皆さんが「税率が20%にアップしたら金輪際株式投資や資産運用はしない」というのも1つの考え方ですが、やはり将来の資産形成のためには、資産運用は必要です。
それならば、頭を切り替えて、「新しいルールの中でいかに有利に進めるか」を考えてみてはいかがでしょうか。
例えば、上で述べたように、税率アップの前の駆け込み売却によって株価が大きく下がるようなことがあれば、そこは目当ての銘柄を安く買うチャンスになります。そうすれば、税率アップを補って余りある利益を得ることができるのです。

証券税制は、時代の変遷とともに、大きく変わってきました。投資歴のそれほど長くない投資家の方はご存じないかもしれませんが、平成元年3月までは、株式の売却益は原則として非課税だったのです。また、それ以降は株式の売却益は課税対象となったものの、源泉分離課税という方式も認められていました。買値を大きく上回っている上場株式を売却するときは、源泉分離課税を選択すれば、実質的に非常に低い税率に抑えることができたのです。

このように、証券税制改正の流れをみていくと、次第に増税色が強くなっている感を受けます。しかし、そのことによって、長期的に株価が下落しているわけではないのです。
最近は、日本の株式市場の売買シェアは、外国人投資家が個人投資家に取って代わりました。今回の税制改正で直接的な影響を受けるのは個人投資家のみです。税率アップに失望した個人投資家の売りで株価が安くなったところを、外国人投資家にごっそり持っていかれると寂しいですね。税率アップにめげず、個人投資家もがんばっていきたいものです。

注)平成21年度税制改正により、上場株式等の売却益、配当金にかかる税率を10%に軽減する措置が、2011年末まで延長される予定です。 また、2012年以降、税率が20%に戻る際、1年当たり100万円を上限として、5年間合計で500万円までの上場株式等への新規投資につき、保有期間中(最長10年)の配当金および売却益が非課税とされる措置が創設される予定です。

※本コラムは平成20年3月7日に掲載の内容を平成21年度税制変更に伴い一部修正を行いました。
(修正日:平成21年3月2日)

足立 武志(あだち たけし)
公認会計士・税理士・ファイナンシャルプランナー(AFP)。
足立公認会計士事務所代表、株式会社マーケットチェッカー 取締役。1975年
神奈川県生まれ。一橋大学商学部経営学科卒業。資産運用に精通した公認会計士。会計・税務業務にとどまることなく、執筆、セミナーなどを通じて、個人投資家の資産運用に真に有益かつ必要な情報提供を行っている。
著書に『すぐできる!らくらくネット株入門』(高橋書店)、『はじめての人の決算書入門塾』(かんき出版)がある。
パンローリング社トレーダーズショップでBlogを書いています。
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