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第1回 税金という「コスト」とうまく付き合おう

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< 5 > ◆新連載◆「知っていればちょっと得する投資と税金の知識」
第1回 ~税金という「コスト」とうまく付き合おう~
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2月中旬を迎え、確定申告のシーズンがやってきました。そこで、今回から4週にわたり、「知っていればちょっと得する投資と税金の知識」をテーマにコラムを連載します。申し遅れましたが、このコラムを執筆する株式会社マーケットチェッカー取締役で公認会計士・税理士の足立武志と申します。4回最後までお読みいただけると幸いです。

資産運用では、リスクを抑えつつ、より高いリターンを目指すことが求められます。リターンをより高くするために、「安いところで買い、高いところで売る」ことを心がけることも重要ですが、実際にはなかなか難しいのが現実です。
それよりも、より確実にリターンを高められる方法があります。それが何かというと、

リターンを減少させる要因である「コスト」を低く抑えることです。

「コスト」には、売買時の手数料、信託報酬だけでなく、利子、利益、配当金などに対して課税される税金も含まれます。今回は、この税金という「コスト」を抑えるにはどうすればよいか、ご説明します。

資産運用に限らず、税金には、「知らなければ損」ということがたくさんあります。例えば、年間で多額の医療費が発生した場合は確定申告することで「医療費控除」という特典を受け、納めすぎの税額を取り戻すことができます。しかし、いくら医療費がかかろうとも、自らが確定申告しなければ、この恩恵が受けられないのです。

資産運用でいうと、税額を抑える方法としては、「分配金の分配回数の少ない投資信託を選ぶ」という方法があります。
株式型の投資信託では、分配金に対して10%の税金が源泉徴収されます。逆を言えば、分配金が支払われない限り、投資信託が獲得した利益に対して課税されないのです。
人気の高い「毎月分配型」の投資信託では、源泉徴収後の分配金をそのまま受け取るか、再び同じ投資信託に投資するかを選択することができます。
しかし、10%の源泉徴収を差し引かれた後の分配金をそのまま受け取るならともかく、再び同じ投資信託に投資するのであれば、最初から分配のないものを選択するのが、税金というコストの面では有利なのです。

なぜなら、源泉徴収された額が、仮に源泉徴収されずに運用され続けたとしたら、その分だけ新たな利益を生んでくれることになるからです。このことを、課税の繰り延べ効果と呼んでいます。

分配のたびに課税されるより、分配せずに解約・売却時にまとめて課税された方が、税引後の手取り額が多くなります。

これ以外にも、以下に挙げた3つの税金知識は是非覚えておくとよいでしょう。

【1】上場企業の配当金に対する税率は10%ですが、配当金を受け取る人の配当金以外の所得金額が少ない場合は、確定申告すれば税金が還付されます。

【2】上場株式等の売買で売却損が発生した場合も、確定申告をすることが条件ですが、損失を3年間繰り越すことができます。繰り越した損失は、翌年以降の売却益と相殺できるため、その分だけ税額を抑えることが可能なのです。

【3】株式投資信託の換金方法として売却と解約がありますが、解約して利益が出た場合、その利益は配当として扱われるので、他の上場株式や株式投資信託の売却損、解約損と損益を通算することができません。

すでに売却損・解約損が生じているときに利益の乗っている株式投資信託を換金するならば、売却による方法にするのが税金面からは有利になるのが一般的です。
(なお、平成20年度税制改正により、平成21年以降は、解約による利益も配当
ではなく売却益として扱われ、売却損、解約損との損益通算が可能となる予定です。)

資産運用では、高いリターンを目指すためには、高いリスクを取らなければなりません。しかし、ここで挙げたものはいずれも、リスク無しで、税金というコストを抑えて税引後の手取りリターンを高める効果が期待できます。
知っていれば得をする、知らなければ損をする、それが資産運用に関する税金の知識なのです。

注1)※平成20年2月8日現在の税制に基づいています。

注2)本コラムに記載された税金に関する記述は、一般的なケースを想定しています。実際には、様々な条件の違いにより、本コラムに記載された記述と異なる結果となる場合もありますので、税務署や税理士等へご相談ください。

次回テーマは、下記を予定しています。お楽しみに!
「特定口座の「源泉徴収あり口座」で想定外の「増税」回避」
株式売却益には税金がかかります。あなたの配偶者控除、扶養控除、国民健康保険料にも影響大かも?しかし、心配は無用!「源泉徴収あり口座」をご紹介します。

足立 武志(あだち たけし)
公認会計士・税理士・ファイナンシャルプランナー(AFP)。
足立公認会計士事務所代表、株式会社マーケットチェッカー 取締役。
1975年神奈川県生まれ。一橋大学商学部経営学科卒業。
資産運用に精通した公認会計士。会計・税務業務にとどまることなく、執筆、セミナーなどを通じて、個人投資家の資産運用に真に有益かつ必要な情報提供を行っている。
著書に『すぐできる!らくらくネット株入門』(高橋書店)、『はじめての人の決算書入門塾』(かんき出版)がある。
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