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第 148 回 アメリカ在住FPが語る2010年、株式相場の行方

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< 1 > お金の相談室 第148回
「アメリカ在住FPが語る2010年、株式相場の行方」
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<質問>
2010年、株式市場はどう動くのでしょうか。相場を当てることは難しいと思いますが、特に、昨年日本を始め世界の景気に影響を及ぼしたアメリカの経済状況を元に、新年に向けてのアドバイスをお願いします。

<回答>
ご質問ありがとうございます。今週は(株)プラチナ・コンシェルジュの安藤が回答いたします。

予測が難しいマーケット

ご質問にあるように、過去1年あまりの世界市場は米国発の経済危機に引っ張られました。今回はアメリカ在住の筆者の立場から、消費者としての実感も交えての展望をお送りします。

株式に限らず、市場の短期的な予測は、常に難しいものです。世界的な経済学者、投資ストラテジストを集めたウォールストリート・ジャーナルの年頭の予想でも、1年が終わって読み返してみると、予想は常に当たり外れ、入り交じっているもの。まして、投資の素人が短期的な「相場」の予想によって利益を得るのは難しいものです。

しかも現在の市場は、日本も米国も、普段にまして予想が難しいといえます。

米国に端を発した「サブプライム」金融危機は、日本・欧州・新興国を巻き込む世界的不景気をもたらし、しかし「大恐慌以来」というパニック的な雰囲気が蔓延していた2009年3月に株式市場は底を打ち、以後、米国市場は2009年11月までに67%の上昇となりました。

その結果現在では「景気の最悪期を脱した」という見方が大半です。しかし、雇用・住宅価格・労働生産性などのファンダメンタルが持ち直さず、また大量の政府資金による刺激策、その結果の日米ともに大幅な財政赤字などの不安要因を抱えたまま急騰したので、もう一度反落がくる可能性も十分にあります。

相場の予想をしにくいときは、あえてしない

それでは、2010年、またその先にはどういった戦略が有効でしょうか。景気や相場の予想が読みにくいときはあえて予想しようとせず、この先5年、10年の大きな流れを考える長期的な展望をおすすめしたいと思います。長期的な流れを考える上で役に立つトレンドには、例えば以下のようなものがあります。

1.財政赤字(米国・日本とも)

経済危機に際して、米国・日本を始め多くの政府が「ニューディール」的な景気刺激策を打ち出しました。それによって景気の浮揚にはある程度の効果がみられましたが、政府の財政赤字の負担は増しています。財政赤字の長期的な影響としては、通貨の下落、物価高などが考えられます。長期的に自国の通貨の購買力が落ち、インフレになれば、手持ちの預金、老後の資金などの実際の価値は下がります。それに対する対策としては投資資産の一部を金・銀などの価値が下がりにくい貴金属や、コモディティーに分散投資しておくことが考えられます。金鉱関連企業もありますが、金鉱企業の場合は一般に、金そのもの(または金投資ファンド、ETFなど)よりリスクも見返りも高い傾向があります。

2.アメリカの消費者のトレンド

米国の消費者は貯蓄よりも消費傾向が強く、クレジットカードや住宅担保のローンで借金をして消費すると言われ、特に住宅バブルの2000年代はその傾向が強かったのですが、金融危機と不況を境にそれが一変し、消費から節約の傾向に変わりました。これは一時的な不況下の現在だけでなく、不動産を担保に「借り放題」だったシステムが崩壊したため、中長期的にこの傾向が続き、日本の1990年代のように、長期的な消費の停滞になるとの予測もあります。アメリカ在住の筆者の身の回りでも、短期的な節約のみでなく、退職後の計画を見直す例なども見られます。

こうした消費傾向のもとでは、安売り、カジュアルな外食、「バリュー」を売る企業、例えばウォルマートなどが消費関連の中では好業績の可能性が高いといえます。また日本の「輸出関連」銘柄の中でも、米国の消費者がターゲット企業よりもアジア関連などを市場とする企業が有望かもしれません。

3.新興国の発展

ここ数年上がり続けた新興国の市場は米国発金融危機で同時に急落し、もはや新興国は先進国の不況の際の「逃げ場」とはなり得ないと言われました。しかし、長期的に見て世界の経済成長はこの先も、先進国ではなく新興市場にあることは間違いないといえます。

先進国と新興国の経済力を示すデータとしては、例えば、日本をのぞくアジアへの半導体販売高は、米国、日本および欧州合計への売上高を既に超えています。また、新興国の石油消費量は、初めて2005年に西欧、米国および日本の合計消費量を超え、その後、差は広がり続けています。

その上、日本をのぞくアジア諸国、さらには大部分の新興国の財政状態は、米国・西欧・日本よりはるかに安定しています。これらを考えると、今後、新興国の中産階級が生み出され、市場になることが大きな世界経済の動きとなるでしょう。

とはいえ、新興国の株式は、既に2009年のうちに先進国より早く回復し、中国などは高い水準にあるため、高値で買わないような注意も必要です。まだ上がりすぎていない地域、例えば東欧などに注目するのも一つの作戦。分散による安全を考えるなら、グローバルに分散した新興国ファンドもいいでしょう。
日本・欧米の企業であっても、新興国の経済成長によって利益の恩恵を受けるセクターも検討に値します。例えば、経済発展に伴い肉食の割合が増えることから家畜の飼料・肥料、また新興国で先進国以上に高度成長を続ける携帯端末をはじめとした電子機器や耐久消費財、さらに、高度成長時にはやるファーストフードなども考えられるでしょう。

日々の株価の予想に一喜一憂せず、上記のような長期的な戦略を、新年の頭の体操としてみてはいかがでしょう。





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