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第 38 回 長生きリスク~75歳以降、支出一辺倒となる世代をどう切り抜けるのか?~

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 「長生きリスク~75歳以降、支出一辺倒となる世代をどう切り抜けるのか?~」
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お金との付き合いかたはライフステージごとに変化していきます。
【1】60歳までの現役世代・・働きながら運用する時代
【2】60歳から75歳まで・・使いながら運用する時代
【3】75歳以降・・・・使う時代

これはフィデリティ退職・投資教育研究所所長の野尻哲史さんが、その著書『退職金は何もしないと消えていく』の中で紹介している三つのステージです。【1】の年齢にいる間に【2】【3】を考慮した老後資金の目標額を設定するのが理想的です。

自分が受け取れる年金だけでは不足すると思われる1年間の生活費を算出し、これに80歳まで生きるとして、20(年)をかけた金額を目標額とするのが一般的です。しかし、アラフォーの私世代の公的年金の支給は65歳から。今現在も公的年金の満額支給を受けるには65歳から受け取ることが条件になっています。60歳から65歳の間、定年後の収入は一切なく、資産の取り崩しだけに頼るとしたら、この5年間の取り崩しはその後の資金の持続期間に大きな影響を与えます。

60歳の時点で3000万の老後資金を確保し、75歳まで年3%の運用をする前提で、60歳からの5年間に大きく資産を取り崩した場合(Aさん)と、小さく抑えた場合(Bさん)では、どのようにその後の資金残高に影響するか。シミュレーション例で見てみましょう。

定年を迎えたAさんは、60歳からの5年間、月々25万円の生活資金を資産から取り崩しました。5年後の65歳からは公的年金の支給が始まるので、月々の取り崩しを10万円に減らします。

一方で同じく定年を迎えたBさんは、60歳からの5年間、定年後も働き続けて収入を確保し、資産の取り崩しを月々12.5万円に抑えました。65歳からは公的年金の支給が始まるので、Aさん同様月々の取り崩しを10万円にします。

Aさん、Bさんの例は60歳で定年を迎えた後のライフスタイルとしてよく見られるものです。老後の資金を頑張ってつくったのですから、Aさんのように5年間の多めの取り崩しは「いたしかたないもの」とする人もいるでしょう。しかし、60歳からの資産の取り崩しは、先に紹介した【2】のステージを迎えた当初にその運用元本を大きく減らすことになります。取り崩し額を小さく抑えた場合に比べて3000万円の持続期間は約10年も違ってしまうのです。


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このグラフで示した例によると、Aさん(オレンジ線)は84.3歳で資金が底をつき、Bさん(青線)は93.4歳まで資金を維持できます。このシミュレーションには先に示した前提条件がありますし、年金受給額等も人様々なので全ての人がこうなると示しているわけではありません。しかし、特別な例ではなく、一般的に想定される事例を示しています。

仕事の定年は60歳でも、資産運用の定年はまだ先。計画的な資金運用から解放されるのは定年を迎えた【2】のステージを迎えた人にとってもまだ先の話です。『【1】の世代のうちに老後資金の基をしっかりつくる。そして【2】の世代になったら、最初は保守的な考えを基に資産を取り崩していく。【3】の世代を迎えたら、大部分の資産を保守的な運用(預貯金等)に切り替えてお金の管理に煩わされない。』将来の為の目標はもちろん大切ですが、こうした目標金額をどういうふうに使っていくかをイメージしておくのも大切です。そしてパートナーのいる人はそのイメージを共有しておくことが大切です。お金の管理をするのは世帯主様の務めとして、男性が一人で老後資金の目標額を設定するということが日本の世帯では多いようですが、これは世帯の重要課題として、早い段階で話しておいたほうがよいことです。

この本を読むと「ちゃんと考えなきゃ!話さなきゃ!」と背中を押してもらえると思います。老後資金のための資産運用をするためにはまず、大切な人と老後のイメージを描き、資産運用の目的を共有するのが目標達成の早道になりそうです。新年に向けて新たな目標を立てる時期、まずは快調なスタートダッシュを切るためにも、お金についてしっかり考えてみてください。(私は一人で読んで、ひとりで考えましたけど・・)

引用資料・参考文献
『退職金は何もしないと消えていく』
~60歳から「経済的自由」を手にする投資勉強法~
著者:フィデリティ退職・投資教育研究所所長 野尻 哲史
表は参考文献p.118より

動画で学ぶ場合は、下記をご覧ください。

野尻氏と当社 内藤忍の対談動画です。
「経済的自由を手に入れるための必勝法」~データから分かること~

 「経済的自由を手に入れるための必勝法」~投資に結び付ける実践法~





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