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第9回 株式投資で成功するために最も大事なこと

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< 2 > ◆◆期間限定連載中◆◆ 公認会計士 足立武志氏による
「決算書分析による銘柄選びの落とし穴」
第9回 株式投資で成功するために最も大事なこと
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 皆さんは、株式投資で成功するためには何が一番重要なことだと思いますか?

将来高い成長が期待できる銘柄や、割安な株価に放置されている銘柄を見つけて投資することでしょうか?それとも、売買のタイミングを見極めて、できるだけ安いところで買い、高くなったら売る技術を身につけることでしょうか?

 もちろん、そうしたことも、成功するためには必要であることには間違いありません。しかし、最も大事なことは、「売買のルール作りと実行」である、と筆者は考えています。
 個人投資家の多くが株式投資で思うような成果を挙げられない大きな理由が、この「売買のルール」を決めていないことにあります。

 筆者が個人投資家と話をすると、ほとんどの人が口にするのは「いやあ、まいっちゃったよ。買った株が値下がりしちゃって。株価が上がるまでしばらく持ち続けるしかないなあ。」という声です。しかしながら、株式投資で満足する成果を挙げている個人投資家からは、まずそうした声は聞かれません。
実は、この声にこそ、ほとんどの個人投資家が株式投資で失敗してしまう原因が隠されているのです。

 この声から見えてくる、多くの個人投資家の実情は、次のように分析できます。
(1)どのようなときに買うかを明確に決めておらず、なんとなく株価が上がりそうだと思ったときに買っている
(2)買った株の株価が下がってしまっても、そのまま放置している

 したがって、上記の(1)(2)の行動を改善するようなルールを作り、それを実行すれば、個人投資家の多くの投資成績は飛躍的に向上するものと筆者は思っています。

 では、どのようにすればよいのでしょうか?
(1)については、「なんとなく上がりそうだから買う」のではなく、「こうなったら買う」というルールを決めておくことです。多くの個人投資家は、株価の上昇局面の終盤で買ってしまう傾向が強いように思います。もちろん、株価が下落している途中で買うのもよくありません。


・株価が下落トレンドから反転して上昇したと思われる初期の段階で買う
・上昇途中の銘柄であれば、押し目(上昇途中の一時的な反落局面)を待って買う
・株価が安値から何倍にも上昇している銘柄は、損切りできないのであればなるべく手をださない(上昇率が大きい銘柄はその後の下落率も大きくなる傾向があるため)

(2)そして、より重要なのがこちらです。買った株の株価が下がってもそのまま放置していれば、さらに株価が下がり続けて「塩漬け株」になってしまいます。そうなると、買値に戻るまでに5年、10年かかるかもしれませんし、バブルの頂点付近であれば、もう一生買値には戻らないかもしれません。
 したがって、例えば次のような、株価が買値から下がったときの損切りのルール設定と実行が必要です。もし損切りしないのであれば、投資資金がゼロになっても構わないと覚悟をしておくべきです。
・買値から10%下落したら一旦損切りをして様子をみる
・直近の安値を下回ったら損切りをする

(1)のルールを守っていれば、株価が下落途中であるときや、株価が高いときに買うのをある程度回避できます。ですから、損切りができなくても、何となく買っているのよりは成績を向上することができます。
また、(2)のルールを守っていれば、塩漬け株の発生を防ぐことができますから、大きく負けることはなく、資金効率もアップします。
そして、(1)と(2)のルールを両方とも実行することができれば、株式投資で期待した投資成果を得られる可能性が高くなるはずです。

 下記は任天堂(7974)の2008年3月期までの業績の推移と、最近までの株価チャートです。任天堂と言えば、いまや「優良株」の仲間入りを果たし、業績も好調です。でも、株価は2007年11月をピークに下落基調が続いています。株価のピークから今までの間に任天堂株を買って持ち続けている人のほとんどは含み損を抱えている状態です。ピーク近辺で買った人の含み損は、わずか1年半で60%にも達してしまっているのです。

(単位:百万円)
 売上高 当期純利益
2005年3月期 515,292 87,416
2006年3月期 509,249 98,378
2007年3月期 966,534 174,290
2008年3月期 1,672,423 257,342


上記のチャートは 「マーケットチェッカー2」より抜粋(チャートをクリックするとPDFファイルで大きく表示されます。)

 任天堂の例からも明らかなように、「良い銘柄」を選んで投資しているつもりでも、何となく買って持ち続けているだけでは、株式投資で思うような成果は挙げられません。これは、多くの個人投資家が塩漬け株に苦しんでいることからも明らかです。ここで紹介した方法以外のものでも構いませんので、自分自身でルールを作り、それを実行して、塩漬け株を回避するようにしてください。

 今回のコラムはこれが最終回となりますが、筆者が考える、株式投資をする上でのさまざまなルールについて、機会があれば今後ご紹介していきたいと思っています。

★今回のポイント

■将来の成長期待の高い銘柄や割安な銘柄を選ぶことももちろん大切だが、それ以上に売買のルールを自分自身で決めて、それを実行することが重要

■多くの個人投資家の失敗例からは、「買いのタイミングを大きく誤らないこと」「株価が下がったときの対応法を決めておくこと」、特に後者がより重要

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足立 武志(あだち たけし)
公認会計士・税理士・ファイナンシャルプランナー(AFP)。
足立公認会計士事務所代表、株式会社マーケットチェッカー 取締役。1975年神奈川県生まれ。一橋大学商学部経営学科卒業。資産運用に精通した公認会計士。会計・税務業務にとどまることなく、執筆、セミナーなどを通じて、個人投資家 の資産運用に真に有益かつ必要な情報提供を行っている。著書に『すぐできる!らくらくネット株入門』(高橋書店)、『はじめての人の決算書入門塾』(かんき出版)がある。パンローリング社トレーダーズショップでBlogを執筆中。
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