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第7回  「PER」「PBR」「配当利回り」の3つを使いこなそう

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「決算書分析による銘柄選びの落とし穴」
第7回  「PER」「PBR」「配当利回り」の3つを使いこなそう
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第3回~第6回において、決算書の数字を用いた株式投資における最も代表的な指標である「PER」「PBR」「配当利回り」の3つにつき、注意すべき点をご説明しました。

 実はこの3つの指標、ただやみくもに使っていては効果が期待できません。3つの指標を上手に使い分けてこそ、銘柄選びに有効なツールとなり得るのです。

 PER、PBR、配当利回りのうち、やはりまず一番に注目すべきものはPERです。

 株価は将来の業績により変動するものです。業績を最も端的に表すのは当期純利益です。

 したがって、当期純利益と株価を用いた指標であるPERを使って株価の割安・割高を測るのが大前提となります。

 しかし、中には赤字に転落したり、業績が落ち込んだりして、PERが測定不能になったり、PERが100倍、200倍にまで達してしまうなど、PERでは正当に評価できない、もしくは評価されないことも決して珍しくありません。

 そんなとき、PBRや配当利回りを用いて株価が割安かどうかを測ることになります。

 例えば東京電力(9501)は、2009年3月期は赤字予測であるため、PERの計測はできません。そこで、過去の株価の底値で計算したPBRと配当利回りから、株価の下値目処を探ってみることにしましょう。

東京電力の2008年9月中間期の1株当たり純資産は1,845円ですが、株価は2008年10月の日本株急落時につけた2,215円が現時点での底値となっています。2,215円の最安値でPBRを計算すると、1.2倍となります。  http://mc.kbu.jp/ 

* 週足チャート資料【1】上記のチャートは 「マーケットチェッカー2」より抜粋。

上記チャートをクリックすると拡大画面でご覧いただけます。

 また、2009年3月期の予想1株当たり配当金は60円ですから、株価の最安値である2,215円で配当利回りを計算すると、2.7%となります。

 以上から、東京電力は今後よほど業績が悪化したり、配当が大幅に減ってしまうようなことがない限りは、PBR1倍より上の水準、配当利回りは3%程度の水準で株価が下げ止まる可能性が高いと分析することができます。

 1つ注意したい点があります。それは、PBRと配当利回りは「割安かどうか」を判断するための指標であり、決して「割高かどうか」を判断するものではないということです。

 例えば、PBRが5倍、10倍に達している銘柄も結構ありますが、PBRが高いから買えないか、といえば、そんなことはありません。

 このような銘柄は、PBRではなくPER、言い換えれば財務状態ではなく業績により株価が形成されているからです。

 PBRが高い企業は、特に成長著しい新興企業に多く見受けられます。こうした企業のPBRをみて「PBRが5倍と高いので株価は割高だ」と判断してしまえば、せっかくの将来の株価上昇のチャンスを逃してしまうことにもなりかねません。

 配当利回りに関しても同様です。配当利回りが0.1%や0.2%という銘柄の株価が買われすぎで割高かといえば、そうではないのです。こうした銘柄は、そもそも配当利回りが株価形成の要因になっていないからです。

配当金を多く出さないという方針の企業も結構あります。1株当たり利益が100円、200円もあるのに配当はずっと5円のまま、というケースも決して珍しくありません。こうした企業の配当利回りはいつまでたっても低いままです。

 したがって、配当利回りが低い分にはあまり気にする必要はありません。

 第3回~第6回であげた注意点も参考にしながら、PER、PBR、配当利回りの3つの指標をうまく使いこなしていきましょう。

★今回のポイント

■まずはPERを重視し、赤字や業績不振などでPERによる評価が有効とならない場合は、株価の下値目処を判断するためにPBRと配当利回りを用いる。

■PBRと配当利回りは株価の下値目処を測定することが目的であり、株価が割高かどうかの判断には用いない。

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足立 武志(あだち たけし)
公認会計士・税理士・ファイナンシャルプランナー(AFP)。
足立公認会計士事務所代表、株式会社マーケットチェッカー 取締役。1975年神奈川県生まれ。一橋大学商学部経営学科卒業。資産運用に精通した公認会計士。会計・税務業務にとどまることなく、執筆、セミナーなどを通じて、個人投資家 の資産運用に真に有益かつ必要な情報提供を行っている。著書に『すぐできる!らくらくネット株入門』(高橋書店)、『はじめての人の決算書入門塾』(かんき出版)がある。パンローリング社トレーダーズショップでBlogを執筆中。
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