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< 6 > ◆◆期間限定連載開始◆◆
公認会計士 足立武志氏による
「決算書分析による銘柄選びの落とし穴」 はじめに
~読者の皆さんにこのコラムを通して、知ってもらいたいこと~
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株式投資には、決算書の内容を理解することが必要不可欠です。なぜなら、株価は企業の業績に連動して動くことが多いからです。また、決算書の数値から、株価の下値の目処を導き出すこともできます。といっても、細かいところまで見る必要はありません。以前のコラムでご説明したようなポイントを理解しておけば十分です。
でも、決算書を理解しただけでは、株式投資で失敗してしまうことが多いのも現実です。
具体的に見ていきましょう。
下記は、トヨタ自動車の過去5年の売上高、営業利益、当期純利益の推移です。
■図1
また、2008年3月期の決算短信に記載されていた、2009年3月期の業績予測等は以下のとおりでした。
■図2
参考数値:2009年3月期予想1株当たり当期純利益 396円92銭 [ 4 ]
2008年3月期1株当たり純資産 3,768円97銭
これをみると、過去5年間、売上高、営業利益、利益とも順調な伸びを見せていることが分かります。[1] また、2009年3月期の業績予測では、売上高[2]、利益[3]とも若干落ち込む予想であるものの、1株当たり当期純利益は約400円と高水準です。[4]
一般に20倍が妥当といわれるPERは、このときの株価水準(約5,300円)から計算すると約13倍であり、株価には割安感が感じられました。
PER=株価5300÷400≒13倍
ところが、2008年11月6日に発表になった第2四半期決算(いわゆる中間決算)にて、驚愕の事実が明らかになったのです。
■図3
なんと、営業利益が1兆円、当期純利益も7,000億円の大幅な業績下方修正を発表したのです。
発表の翌日、このビック・ネガティブサプライズである「トヨタショック」が株式市場を駆け巡り、トヨタ株は一時ストップ安まで売り込まれ、日経平均株価も大きく下落しました。
トヨタ株の株価は、当初業績予測を発表した2008年5月の約5,300円から、10月には3,000円割れにまで大きく下がってしまいました。
このように、決算書の数値だけを頼りに銘柄選択や株式売買を行っていた場合、今回のトヨタのケースのように、割安と思って株式を買ったはずが、結局は大きな損失を抱えてしまうことも大いにあります。
でも、決算書の数値以外の「あるもの」に注目していたなら、決してトヨタの営業利益1兆円下方修正は驚くべきものではなかったですし、トヨタ株式への投資で大きな損失を被ることも防げた可能性が高いのです。
そこで、次回から隔週で9回にわたり、「決算書分析による銘柄選びの落とし穴」と題して、実際の株式投資においてつまずきやすいポイントやその回避の手法について、実践的な解説を行っていきたいと思います。
<内容>(予定)
<1> 決算書は「過去のデータ」であることを忘れずに
<2> 将来の業績予測はアテにならない?
<3> PERを使った銘柄選び、ここに注意 その1
<4> PERを使った銘柄選び、ここに注意 その2
<5> PBR1倍割れでも割安とは限らない
<6> 「配当利回りが高い」=「割安」ではなく「危険」な理由とは?
<7> 「PER」「PBR」「配当利回り」の3つを使いこなそう
<8> 売り買いのタイミングを間違えればどんな優良株投資でも失敗する
<9> 最も大事なことは銘柄選びではなく「売買のルール作りと実行」
注:ホームページやPDFファイルのURLは2008年11月現在のものを掲載しております。掲載企業の都合で変更される可能性もあります。
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【過去掲載のコラム】
投資力 株式投資と決算書 は こちら にてご覧いただけます。
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足立 武志(あだち たけし)
公認会計士・税理士・ファイナンシャルプランナー(AFP)。
足立公認会計士事務所代表、株式会社マーケットチェッカー 取締役。1975年神奈川県生まれ。一橋大学商学部経営学科卒業。資産運用に精通した公認会計士。会計・税務業務にとどまることなく、執筆、セミナーなどを通じて、個人投資家 の資産運用に真に有益かつ必要な情報提供を行っている。著書に『すぐできる!らくらくネット株入門』(高橋書店)、『はじめての人の決算書入門塾』(かんき出版)がある。パンローリング社トレーダーズショップでBlogを執筆中。
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