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最終回 当面の最終回

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< 2 >  グルマンの日記 最終回
「当面の最終回」
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さて 2006年12月以来始めたグルマン日記。マネックス・ユニバーシティのメルマガのコラムに書いてみないかと誘われ、その気になって書き始めて早3年の月日が経過しました。その間に経済環境も随分と変わり、リーマンショックの後には最近はドバイショックなど投資家にとっては心臓にあまり宜しくない日々が続いています。でも、昔僕の勤めていた会社のトップは、「ボラティリティこそ収益の源泉である」と言ってこのような経済変動を好んでいましたが、さすがの彼も市場の大津波飲まれてしまったらしいです。

そんな3年間 毎月美味しい食材に巡り合い、美味しい調理法の教示を受け、日々の経済活動から全く自分をオフにすることを可能にしてくれたのがこの料理の世界であったのかもしれません。人間やはりバランスが大切で、左に大きく引っ張るものがあれば、意識的に右に引っ張るものを作っておく。それをしておけば、倒れない。そんな役割を担ってくれたのが、僕にとっては、「グルマン」な世界であったのです。

僕の敬愛する食通の知人から一冊の本を借りています。その本を借りて1年以上経過するのですが、何度読んでも面白いので、返すに返せないでいます。その本の題名が、「わが百味真髄」(檀 一雄 著)あの世界の放浪で有名な直木賞作家檀氏は、10歳の時に母親が家を出て戻らなくなり、それ以来生きるために「料理」をしてきた・・と記しています。そして文中 「料理」についてこんな一文を載せています。

「食べるということは愉快なことだ。自分達の懐ろなみの、材料を様々に買いだしてきて、組み合わせ、あんばいし、さて、それがいきいきとした自分達のイノチにつながる行事だと思うとこんな楽しいことはないはずだ。」

この一文を読んだ時、これこそ料理人「檀」氏の「料理」に関する真髄をついたものだと頭をカツンとやられた気分になりました。楽しい料理も、詰まる所「イノチ」につながる行為そのものであったのです。僕も全くのそのとおりだと思います。高校時代空腹を癒す為にたべた「ヤマトイモ」の懐かしい味。米国留学中、一人ボストンの屋根裏部屋で、大きな名も知れない「貝」を焼いて、醤油をかけて食べたあの天にも昇る美味しさ。いずれも、食を楽しむ為でなく、空腹を満たす行為から自分で作った「料理」。「命」をつなぐ行為が、「料理」という行為になったのです。

そして、この週末、流行りのインフルエンザというものに不覚にもかかったらしいのです。タミフルを飲んで、翌日平熱に下がるものの会社規則では、熱が下がってから2日間の出勤は禁ずる・・・との命令。2日目は、時間をもてあまし、思い切り、料理三昧をすることにしました。(食べさせられる人はいい迷惑かもですが・・・・)
体に良くて、さっぱり味の「家ごはん」への挑戦です。作ったのは、3品+デザート。2日間ほとんど何も病気で食べられなかった体を復活させた料理を紹介しましょう。

ソーセージポトフ。ロックフォールチーズのリゾット、そして豆腐のサラダ、デザートには、ゆず風味のフォッカチャです。簡単に作り方を紹介。

【ポトフ】

ソーセージ(出来ればベーコンも)、キャベツ 半玉、ニンジン2本、玉ねぎ1個、セロリ1本、エリンギ少々、プチトマト4個、料理用白ワイン少々、コンソメの素 2個、バター少々。

出来れば寸銅鍋で、バターを溶かして、一口大に切ったベーコン,玉ねぎ、ニンジン、セロリを炒める。白ワインを入れてアルコールを飛ばして、水1ℓを入れる。煮立ったら、あくをとりながら、ソーセージを入れて10分程度弱火。そしてソーセージを取り出して、4分の1に切ったキャベツを入れて、20分程度煮込む。そしてエリンギを入れて、10分。そして最後にまたソーセージを入れてひと煮立ちして完成。すでにお気づきのとおり、すべて実は、冷蔵庫野菜室とチルドルームの残り物総動員で作れてしまいました。

【ロックフォールチーズのリゾット】

材料、米1合、玉ねぎ 半個、ロックフォールチーズ、バルメジャーノチーズ、コンソメの素 一個、白ワイン少々

これまた以前リゾットの作り方を紹介したので再度は紹介しませんが、最後にロックフォールチーズとバルメジャーノチーズを入れるのがポイント。これも家の冷蔵庫のあるもので。

【デザート 柚子風味のフォッカチャ】

  20091218recipe_04_mini.jpg材料:強力粉、卵2つ、グラニュー糖、バニラビーンズ、柚子を刻んだもの(本来は、レモンですが、今回は冷蔵庫に半分腐りかけの柚子を発見)、プレーンヨーグルト、オリーブオイル、

ということで、なんとフォッカチャもバニラビーンズを除けは、どこの家庭の食糧庫に眠っている食材を合わせて出来てしまう。そうなのです。はるばる食材を仕入れる旅にでなくても、実は家にデットストックになっている食材を「組み合わせ、あんばい」することにより、病み上がりの人間に大きなエネルギーを与える「料理」を作れてしまったのです。

これまで、僕のグルマン日記は、時には長野の農園にまで食材を仕入れに行き、時には佐賀牛の生産者に「牛ほほ肉」をオーダーし、時にはハワイ島のアワビ養殖所を訪ね歩いたり・・と豊潤な食材を探し求めたのです。でも今回は料理の原点に戻り、「生きる」ために、身の回りの食材で「生命」を生かすための料理を作る活動をしてみたのです。また一歩、僕の料理に対する目線が高くなった気がしました。

さてと、今回が60回目。3年続いたグルマン日記も、今日で胃腸を休めるため一旦休講します。人間生きている限りどんな形にしても食事をします。僕は、80歳に寿命を迎えるとすると、ディナーをそれまでに取れる機会は、1万回弱。5回に1回は外食とすると2000回レストラン・料理屋で食事をすることに。2000軒しか行けないのです!

でも丈夫な歯で食べられるのは70歳までとするとその数もずっと減ります。自分で料理するのは差し引き8000回。朝食も昼食も自分で作ればその数は3倍に。となると、やはり自分料理の腕をしっかりと磨くことが、人生を何倍にも楽しくする秘訣かなと思えてきます。

世界最高の朝飯を作る為に車飛ばして小田原港朝市に出かける・・・。世界一辛い麻婆豆腐に挑戦する為に四川省成都に向かう・・。バジルペーストを作るために長野の農園でひと抱えのバジルを手に入れる・・・そこには、誰からも制限を受けない自分の「食」の世界が広がります・・・・・・僕の胃袋という世界でも最も贅沢な「袋」を満たすために。

グルマン日記 fin

ps 今回は今まで未紹介の写真の一部を公開します。実は、ヒリトリックカー(1960年代前後の車)の追っかけが別の趣味であります。これは投資にはなりません。

   

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