HOME > マネーを学ぶ6つの方法 > メールマガジンで学ぶ > 9冊目 ドラマティックかも!?春山昇華(著) 『サブプライム後に何が起きているのか』
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< 2 > エムユーの本棚 9冊目 「ドラマティックかも!?」
前回の8冊目は「サブプライム一過?」
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早いもので2008年も5月です。一ヶ月前にはまだ冷たい空気の中でぼんやりと浮かび上がっていた桜も今やすっかり青々とした若葉に覆われていて、ごつごつした木肌を見てはじめて「あー、この木はそういえば桜だったんだ」と気付かされます。
確かにそこにあったのに、それがあまりにも自然に感じられて、いつの間にか起きていた変化に気付かずに日々を過ごしていることは多いと感じます。確かに自分も、その変化と時間を共にしていたにも関わらず。
こうやっている今でも全ての物は変化し続けていると思うと、この1分1秒もドラマティックです。今日の新聞で報道されている出来事がどんどん積み重なっていくと、後世の人が歴史と呼ぶものになっていくのでしょう。私たちは今、2008年5月の歴史というドラマを目の当たりにしているのです!
などとひとたび興奮してみてふと、2008年5月に何が起きているのかを理解しないでドラマティックなどというのは大袈裟だなあ、と我に返りました。ドラマの内情を理解すべく手に取った本は・・・・
春山昇華(著)、宝島社、680円(税込)
【ジャンル】 金融・経済の仕組み
【難易度】 ★★★☆☆ (★が多いほど難しい)
【文字量】 ★★☆☆☆ (★が多いほど多い)
【所要時間】 ★★★☆☆ (★が多いほど時間がかかる)
【おすすめ度】 ★★★★☆ (★が多いほどおすすめ)
先週ご紹介した『サブプライム問題とは何か』の続編。一気に読み上げてしまった前書に比べて、難易度がアップしております。読み応えがあります。基礎的な金融や経済の知識がないと面白みに欠けるかもしれません。
→基礎的な金融・経済の知識をコンパクトに学習するには、<マネックス・キャンパス>Level 1 「金融入門」がおすすめです。
前書は2007年11月出版、当書は2008年4月出版なので3月までの情報も含まれています。その中にある1月時点のデータと比べても、例えば本日(2008年5月2日)の新聞で報道されている日本の金融機関の損失額は、1.7倍にもなっています。何千億円、何兆円と、金額が大きすぎて私には到底イメージがわきませんが、それほどの損失が現実に金融機関に生まれているのです。
プロローグと第1章では、拡大し続けるサブプライム問題の現状や金融機関に起きている事件を、金利、株価、GDP成長率のみならずISM製造業景況指数、フィラデルフィア連銀ビジネス・アウトルック、設備稼働率などといった様々なデータの動きと共に解説しています。ちょっと本題とはそれますが、こういうデータを元に経済情勢を判断していけばよいのか!というお勉強になります。
更に、第2章では国富ファンド(ソブリン・ウェルス・ファンド、SWF)、第3章では証券化とレバレッジ戦略を核とした金融ビジネスモデル、第4章ではモノラインの仕組みと功罪について、かなり、分かりやすく、説明しています。これらの用語については新聞やインターネットなどの情報から理解しているつもりでいましたが、それは浅はかでした。
実際、この本を読んで「ほほーう!」と声を上げることが幾度か。そう簡単には説明しきれない内容を、分かりやすい図解も入れて、一つ一つのステップに分解して丁寧に書かれているので、手品の種明かしを見ているような気分で理解が進みます。特に、171ページ以降のトリプルAの再証券化の手品(まさに錬金術!)は目鱗でした。
こういった高度なテクニックと人間の欲望が、まずい合体を果たしてしまうと、これこそダークフォース・・・。
やはりドラマティックです。
マネックス・ユニバーシティ 富田
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