HOME > マネーを学ぶ6つの方法 > メールマガジンで学ぶ > 32冊目 自分の原点北村 慶(著)『貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント』
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< 2 > エムユーの本棚 32冊目 「自分の原点」
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金融危機の話題はいつの間にか景気悪化の話題へと移り変わり、暗い気持ちになるのもそろそろ飽きてきた私の心は、このところ秋の味覚で占められています。今年は台風の上陸もなく、危うく季節が変わったことに気付かぬところでしたが、さんまやらキノコやらジビエやら、日本酒やらウィスキーやら赤ワインやらがめっきり美味しいのですね。なんとも幸せ哉。
季節が移ろいゆくように景気も循環していくものですから、景気後退そのものに私個人が目くじらを立てても疲れるばかり。景気後退があまりにも深く長くならないように祈りながら、日々できることを頑張っていかないとなあ、と思います。
さて、そんなほっこり気分で今週ご紹介するのは、「資産運用において個人ができることとは何か」を的確に示した良書です。2 年半も前に出版されたものですが、今読んでも、やっぱりいい。実はその後、続編(のような本)も出版されているのですが、続編よりもやっぱりこれがいい。そんな本です。
『貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント―ノーベル賞学者とスイス人富豪に学ぶ智恵』
『貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント―ノーベル賞学者とスイス人富豪に学ぶ智恵』
北村 慶 (著)、 PHP研究所、 1,365円(税込)
【ジャンル】 お金の指南書
【難易度】 ★★★☆☆ (★が多いほど難しい)
【文字量】 ★★★☆☆ (★が多いほど多い)
【所要時間】 ★★★☆☆ (★が多いほど時間がかかる)
【おすすめ度】 ★★★★☆ (★が多いほどおすすめ)
こちらのブログにあるように、多くの良書を出版されている北村慶氏はプロフィールによると「大手グローバル金融機関勤務の現役金融マン。」とのことですが、謎のヴェールに包まれている存在です。
最近は『ほぼ確実に世界の経済成長があなたの財産に変わる最も賢いETF海外投資法』というながーいタイトルの ETF 本を出版されています。
(この ETF 本は当社のeラーニングサービスの特典でもある、チャットdeお金の相談室でも内藤が紹介しています。)
さて、今週の本。表紙は牧歌的でも、内容は骨太です。第 1 章、第 2 章では現在の日本が面している格差社会、そして金融格差社会について書かれています。日本における格差については今や話され尽くした感がありますが、メディアで取り沙汰されていたのは主に「ネットカフェ難民」や「ニート」などでした。
しかし、年金など社会保障による「所得の再配分機能」が弱まってくる今後、金融格差は私たち自身に露骨に係ってきます。例え「貯蓄から投資へ」というスローガンに眉をひそめようとも、実はもう我々は、そのような変化に適応せざるを得なくなっているというのです。自助努力が必要だと。
第 3 章では、老後の生活を支える年金資金を管理・運用している「年金資金運用基金」の運用戦略について書かれています。それこそメディアで報じられるのは年金を原資に建設されてしまった、利用されていない豪華施設の話題などが中心となりがちですので、運用について知ることができるのは貴重な気がします。これらの内容についてより詳しく知りたい方は、今年 1 月に出版された北村氏の『大人の投資入門―真剣に将来を考える人だけに教える「自力年金運用法」』もご一読されると面白いのではないでしょうか。
そして、第 4 章。「"負けない"資産運用」と題して、7つの智恵(リテラシー)について解説されています。なぜ長期投資か、投資における勝ち負けとは、個人投資家ならではの強みとは、「ポートフォリオ」は何がスゴイのか、多くの個人にとって資産運用のバランスを崩す住宅ローンの捉え方とは、負けない国際分散投資とは、そして「負けない」ための王道とは・・・・・。既に、これらの用語の意味を把握していて、長期分散投資を実戦しているという自負がありながらも、今回の相場の変動に少なからず動揺してしまった方には、この章に目を通していただくのが良いのでは。一体どの部分が自分に動揺をもたらしているのかが分かるかもしれません。
最後、第 5 章は、第 4 章で述べられている智恵(リテラシー)が有効となる前提として、どういう社会となるべきか書かれています。実際はそうすんなりと行かずに、現在のような事態となっているのですが・・・・。28冊目に紹介させていただいた、『すべての経済はバブルに通じる』のことがふと頭を過ぎります。
全般的にとても穏やかな文体ですので、ここ最近のギスギスした報道に疲れてしまった大人の投資家におすすめの秋の一冊。
マネックス・ユニバーシティ 富田