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白水 和憲 (著) 『世界を動かす原油のことが面白いほどわかる本』

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11冊目 私たちは油まみれ
白水 和憲 (著) 『世界を動かす原油のことが面白いほどわかる本』

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< 2 > エムユーの本棚 11 冊目  「私たちは油まみれ」
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このところ世間を騒がせていた道路特定財源関連法の話題。政治家達がテレビを賑わせれば賑わせるほど、見ている私たちは興ざめになっていきますが、他人事ではありません。4 月 28 日は 1 リットル 130.6 円だったガソリンが今や 160.1 円に。(レギュラーガソリン全国平均、財団法人日本エネルギー経済研究所 石油情報センターの週次調査より)。たった 2 週間で 29 円 50 銭も値上がりしたのです。そのうち 25 円 10 銭は暫定税率分で、価格上昇分は 4 円 40 銭です。

もう少し昔を振り返ってみると、2005 年 3 月 28 日のレギュラーガソリン全国平均は 1 リットル117.6 円でした。税額は現在と同じです。私たちの日常の中でじわじわと値上がりをみせているガソリンは、ご存知原油から作られています。毎日のように原油価格の高値更新が報じられ、また、原材料の高騰で苦境に立たされた製造業や流通業などについての番組をみることもしばしば。

そして私はまた、自分の無知に気付いたのでした。「 1 バレル 125 ドル代突入というけど・・・・、バレルとはウィスキー樽のようなものかな?まさか、シェリー樽の原油、なんてものはないよね。ははは。」

なんと好タイミングなことに、こんな疑問の答えを、ある本の中に発見しました。それは・・・・

『世界を動かす原油のことが面白いほどわかる本』 です。

白水 和憲 (著)、 中経出版 1,575円(税込)
【ジャンル】 コモディティ
【難易度】 ★★☆☆☆   (★が多いほど難しい) 
【文字量】 ★★☆☆☆   (★が多いほど多い) 
【所要時間】 ★★☆☆☆  (★が多いほど時間がかかる)
【おすすめ度】 ★★★☆☆ (★が多いほどおすすめ) 

ちなみに 1 バレルとは 159 リットル。(多くのウィスキー樽も同量です☆)それ以外にも、原油ができるまで、原油と石油の違い、原油から作られる様々な石油製品など基礎情報が易しく説明されています。新聞で目にする「ナフサ」についても、それは何かという想像すらできていなかったのですが、この本を読んで初めて、どういうものなのか、またなぜ重要視されているのかを知りました。

その他にも、原油埋蔵量はどのくらい確認されているのか、需要はどの程度あるのか、世界のどの地域でどのような開発が行われているのかなど、網羅的に知ることができます。社会科の勉強をしている中学生のような気分です。そういえば、その当時の先生が「20×0 年には石油が枯渇するかもしれない!」と話していたような記憶もあるのですが・・・。

そしてやはり気になるのが、価格決定の仕組みです。NYMEX(ニューヨーク・マーカンタイル取引所)の WTI 価格の他にも「ドバイ原油」や「東京原油スポット価格」など色々目にしますよね。それらの違いや、実は取り扱い原油量がそれほど多くない WTI 価格が重要視されている仕組みも書かれています。また、原油価格が上昇しても産油国は増産に応じないという、その背景も。その他、原油取引で使用される主要通貨が米ドルという状況はこれからも続くのか、などは為替動向の点でも気になるテーマです。

意外に分からないことばかりの原油・石油の世界ですが、ガソリンだけにとどまらず、私たちの生活のあちこちを支えてくれていることは確か。プロローグの「ごくごく普通のサラリーマンの、ごくごく普通の 1 日」のシミュレーションからも、どれだけ私たちが油まみれなのかを痛感させられます。

とにかく、文字も大きく読みやすいので、「知ったかぶり」している人は、「知ったかぶり」していることがバレル前に読んでおいた方がいいですよ!

★どうしようもないダジャレで終わってしまったので、おまけの一冊をご紹介 します。本日ご紹介した本とほぼ同時期に発売された・・・

『石油がわかれば世界が読める』
瀬川 幸一 (編集)、朝日新聞出版、756円

(社)石油学会の創立50周年(!!)を記念して企画された新書。『世界を動かす・・・』は初心者向けの説明中心ですが、『石油がわかれば・・・』は石油のプロたちによる解説本です。といっても、文は比較的平易ですし、『世界を動かす・・・』を一度読んでおけば余裕を持って読めるでしょう。心なしかタイトルも似ていて、どちらの本でも「もはや市況商品となっている原油」「国際石油市場における情報の不完全性」について指摘があります。改めて、原油には国際・国内政治、世界のエネルギー事情、科学、ビジネス、金融、近代の歴史、戦争などたくさんのテーマが含まれているなと感じました。

マネックス・ユニバーシティ 富田

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