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第 22 回 オユトルゴイ(OT)鉱山のその後とモンゴル資本市場の現状
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今回は、先月お伝えしたオユトルゴイ(OT)鉱山の投資協定の行方について、連続してお伝えいたします。と申しますのも、数年前から続いているモンゴル政府とアイバンホー社との交渉がいよいよ決着する運びとなって来たからです。
直近の経過を振り返ると、
1.2009年8月11日: 政府とアイバンホー社との交渉が終了
2.2009年8月19日: 臨時国会開催(投資協定締結の条件となった4つの法律改正のため)
3.2009年8月25日: 国会にて全ての法案が可決
4.2009年9月4日: 大統領による拒否権発動の期限(10日間)
5.2009年9月4日: 法律改正の公布
6.2009年9月14日: 改正法律案の施行(10日間)
以上のような経過をたどり、実際の投資協定の契約は9月中にも見込まれています。
以上のような状況下、トロント市場に上場しているアイバンホー社の株価は8月25日一日で12.4%上昇し、10.81ドル(カナダドル)になりました。また、モンゴル証券取引所上場のトップ20インデックスも8月26日から急上昇を始め、9月4日には1月22日以来の高値を更新し、時価総額も12.4%上昇し約360億円まで回復しました。
モンゴルの株式市場の特徴の一つは、世界の株式市場の動向にかなり遅行した動きになっていることです。今年に入り各国の市場がリバウンドを始めたのを尻目に、モンゴル市場はほとんど底値を這っていましたが、今回のオユトルゴイの一件でやっと回復の兆しが見えてきました。
オユトルゴイの契約が実際に締結されると、モンゴルのGDPの75%に相当する40億ドルの投資が今後5年間でなされる計画で、実際の生産は2013年初頭にも始まることになります。
現在、埋蔵量は銅が3,000万トン、金が3,200万オンス(1,000トン)とみられており、2013年以降の年間生産容量は銅が45万トン、金が33万オンス(10トン)と想定されています。現在の時価で試算すると年間売上可能額が30億ドルというとてつもない金額になります。
モンゴルでは、オユトルゴイの契約が締結されると、次にはタバントルゴイ(TT)という石炭鉱山の開発案件が具体化する予定です。タバントルゴイは石炭の埋蔵量が60億トンと言われており、4分の1がコークスという非常に質の良い石炭で、その質、量ともに世界的にも稀な石炭の鉱山です。昨年末に国際入札が公表され、現在のところ日本勢3グループを含む9グループが候補者リストに残っております。今後、入札業務が急速に進展することが期待されております。
さて、昨年の経済危機以降、商品市況、特に銅の価格が急落したことの影響でモンゴル経済は大変な危機に陥ってしまいました。貿易収支が悪化し、また政府の税収も激減し外貨準備高も4億ドルまで落ち込んでかなり危機的な状況となりました。
ただ、モンゴル政府は1月にIMFと協議を始め、3月にはIMF、世界銀行、アジア開発銀行、日本政府による協調融資の枠組みが決まったことを受け、何とか明るい兆しが見えてまいりました。
同時に、為替も持ち直し、インフレも沈静化し、少しずつではありますが回復に向けた動きが見えています。そんな中での今回のオユトルゴイの承認は、海外の投資家にとって、今後の投資機会を探る好機が到来したことを意味します。
ウランバートルの市内では、昨年以来止まっていた建設工事の現場が一部工事を再開し、ここ数ヶ月の間に、市内中心部の高層ビルが3棟オープンしました。建設事業についても、まだまだ銀行からの融資が受けられるところは一部に限られていますが、海外からの鉱山関係者の来蒙を見越した動きが加速することは必至と思われます。
それでは、モンゴルに対する投資を検討する場合、何に投資をすれば良いかということを考えたいと思います。モンゴルの株式市場は、先ほども述べたように、他の新興国市場と比べてもかなり遅行した動きになっている点、また、GDPに対する時価総額が低い(17%)ことを考えあわせると、銘柄さえ慎重に選べばかなり有利な投資になると思われます。
ただ、モンゴル株への投資に際し、リスクがないと考えるのはかなり危険です。上場している企業でも毎年きちんと財務諸表を開示しているところは3分の1に過ぎません。従って、ファンダメンタル分析は容易ではないのですが、フロンティア証券ではトップ20インデックスの構成企業の分析を行っており、簡単なレポートをウェブ上で公開しているので、是非ご覧下さい。
ただ、トップ20の企業でも全ての企業がタイムリーに情報公開をしている訳ではありません。フロンティア証券のウェブ上の企業紹介でもまだ2007年の業績のままになっている企業が散見されます。従って、個別株投資という観点でのファンダメンタル分析は当面差し置いて、トップ20インデックスの構成企業をまんべんなく分散投資することをお勧めいたします。(トップ20の中で、流動性の高い10銘柄程度をピックアップすることも考えられます。)
モンゴル市場へ投資を行う場合は、フロンティア証券などの現地の証券会社に口座を開くことが求められます。フロンティア証券では、ウェブ上で口座開設の手続きをご説明しておりますので、是非ご覧下さい。
また、ウランバートル市内の一等地で、日本企業が大規模な不動産開発を行っており、それら不動産物件に対する投資も、これからは検討の余地があるものと思われます。
9月に入って急に涼しくなり、日本の晩秋のような気候になってきたモンゴルの今日この頃ですが、マーケットの方は少しずつホットになり始め、これからは目が離せない毎日が続くものと予想されます。
フロンティア証券 COO 岩崎勇二
eメールアドレス: staff@frontier.mn
ウェブサイト: http://www.frontier.mn
(日本語ページもございます)
岩崎勇二
山一證券で資本市場部長、山一スイス引受部長を歴任。山一破綻後は上場企業3社でCFOを務める。2008年6月に(株)アコーディア・ゴルフの執行役員を退任後、モンゴルビジネスに関わる。金融界には珍しい一級建築士。