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第 21 回 世界が大注目!世界的な大規模銅山であるモンゴルのオユトルゴイ(OT)鉱山の行方
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モンゴルに数多く存在する各種資源の鉱床のうち、モンゴル政府により15の鉱床が戦略的重要鉱床に定められています。中でも、銅と金の鉱床があるオユトルゴイ(通称OT)、良質の石炭が埋蔵しているタバントルゴイ(通称TT)の2つがもっとも規模が大きく、国際的にも注目度が高くなっています。
OT、TTともその開発を行う鉱山会社の選定、また選定された会社との間での詳細の条件交渉等実際の開発に着手するまでにはたくさんのステップが想定されます。
モンゴル政府としても彼らの対応能力の問題から、実質的にはまずは、OTの交渉をまず優先させ、その後TTの入札を行うという手順を考えているようです。本日は、現在モンゴル国内およびモンゴルへの投資を考えている投資家、鉱山会社の最大の関心事であるOTの交渉の最新情報をレポートします。
OTは、新規の開発としてはペルーのLa GranjaやLas Bambas、アルゼンチンのEl Pachonに勝るとも劣らない世界的な大規模銅山と認められています。もともとOTの権益は鉄鉱石の世界的メジャーであるBHPビリトン社が保有していたが、1999年にカナダのアイバンホー社が100%の権益を取得した後、世界的な規模の鉱床が存在することがわかって大騒ぎになったという経緯があります。
モンゴル鉱業協会の試算によると、OTの開発のみによるモンゴルの経済波及効果は、今後30年にわたりモンゴルのGDPを毎年30%引き上げる効果があるとしています。オユトルゴイの開発を遂行するため、アイバンホー社は資源メジャー世界第2位のリオティントからの出資を受け、戦略的パートナーとしてモンゴル政府との交渉にも共同で臨んでいます。
現在のところアイバンホー社がOTの権益の100%を保有しているものの、OTが戦略的鉱床の一つであるため、現行の資源法によるとその権益の34%はモンゴル政府が保有するものとされています。
また、金と銅に対して適用されている超過利潤税の問題、付加価値税の還付、関税に対する優遇措置、政府からの役員の派遣、モンゴル人の雇用の確保、モンゴル証券取引所への上場の問題等懸案事項が山積されており、法律改正も然ることながら、政府とアイバンホー社との間で個別の投資協定を締結すべく長年調整してきました。
モンゴルでは2008年総選挙があり、与党革命党と野党民主党による連立政権が発足しています。また、2009年6月には大統領選挙があり野党民主党のエルベグドルジ氏が任命され、アイバンホー社との投資協定の議論がにわかに再燃してきました。
2009年3月にアイバンホー社から提出された投資協定の原案に対する議論が国会にて継続し、2009年7月16日にはアイバンホー社との詳細の条件の交渉を政府に一任することで一たん可決しました。その後、大統領も拒否権を発動しなかったため、2009年7月27日より政府交渉団とアイバンホー社との再交渉が開始された。
その後2009年8月11日火曜日にはアイバンホー社との交渉が終了、同日首相、大統領、国会議長の3名による国家安全会議が召集された。翌12日には政府の代表(財務大臣、鉱業大臣、環境大臣)により、以下の発表がなされました。
1. 国家安全会議により、OT投資協定の原案が正当でありアイバンホー社との交渉が終了したこと。
2. この原案の最終承認および超過利潤税の廃止、法人税の改正、その他関連法案の承認のための臨時国会を召集すること。
以上の条件でアイバンホー社も了解したとしています。投資協定では、以下のようにかなり詳細にわたって条件が決められました。
1. モンゴル政府の持分は34%
2. 投資金額は総額40億ドル
3. 付加価値税の還付を取りやめたことにより、2億68百万ドルがモンゴル政府の追加収入となる。
4. 関税に対する優遇措置の減少により90百万ドルが更にモンゴル政府の追加収入として上乗せされる。
5. アイバンホー社による当初支払い額が2億50百万ドルになり、これに対するモンゴル政府の金利は年平均で7.7%とする。
今後は、2009年8月13日木曜日に政府により臨時国会の召集が正式に要請されることになります。
モンゴル国民およびモンゴルに興味を持っている海外投資家は、今後の交渉の推移を注意深く見守っています。
過去に掲載した鉱山絡みのコラムも合わせてご覧ください。
第 5 回 「世界が注目!モンゴルの2大鉱山」
第 6 回 「まだまだある!資源高に沸くモンゴル鉱山」
第 16 回 石炭鉱山(タワントルゴイ)の動向が外国人投資家の動向を変える!
フロンティア証券 岩崎勇二
山一證券で資本市場部長、山一スイス引受部長を歴任。山一破綻後は上場企業3社でCFOを務める。2008年6月に(株)アコーディア・ゴルフの執行役員を退任後、モンゴルビジネスに関わる。金融界には珍しい一級建築士。
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