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第3回 リーマン・ショック以降の投資の注意点その2

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< 2 > ◆◆Q&Aコーナー開始◆◆ 公認会計士 足立武志氏による株式投資Q&A
第 3 回 リーマン・ショック以降の投資の注意点 【2】
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Q.前回(第2回)、長期・分散投資の有効性が今後低下する可能性があると書かれていましたが、長期・分散投資が有効でないとするなら、どのような投資をしていけばよいのですか?

A.もし長期・分散投資に不安を感じるのなら、安く買って高く売るための知識や技術を身につける必要があります。

 はじめに、長期・分散投資は特に明確な定義づけはなく、人それぞれでとらえ方も異なる場合がありますので、筆者が考える「長期・分散投資」について説明しておきたいと思います。

当コラムでの「長期・分散投資」は先ず、以下2つの基本的立場に立ちます。
・思惑を持って、タイミングをはかり、安く買い高く売ることは非常に困難である
・値動きの異なる複数の資産に資金を分散すれば、リターンのブレ幅を抑えて安定的にリターンを確保できる

この考えに基づき、例えば、20年後を投資のゴールとするなら、次のような投資手法を想定しています。
【1】 20年後の目標資産額を達するために必要な年間リターンをもとめる
【2】 各資産(日本株・国内債券・外国株・外国債券)の過去数十年間のリターン実績が将来も期待できるものと仮定する
【3】 必要な年間リターンを達成できるように資金を各資産に分散する
【4】  その後はリバランス(分散比率の再調整)の作業を除いては、基本的にずっと持ち続ける(=バイ・アンド・ホールド)
なお、この考え方により長期・分散投資を行った場合、モダン・ポートフォリオ理論(※)にもとづき、各資産はそれぞれインデックス・ファンドを組み入れることが一般的です。

 これには、「どの資産が高いか、安いか、どの資産がこれから上昇するかを予測することは「相場観」によるものであり当てにならない。それならば、相場観は一切排除して、過去の実績から、安定してリターンを得ることのできる方法であるバイ・アンド・ホールドによる「長期・分散投資」をしましょう」、という考え方が根底にあります。
(※)ノーベル経済学賞を受賞した経済学者ハリー・マーコウィッツが提唱した投資理論

あらかじめ断っておきたいのは、筆者は「長期・分散投資が有効でない」と言っているのではありません。お伝えしたいのは上記で定義した長期・分散投資は、今後期待したほどの成果が出なくなる可能性があり、最悪の場合資産が大幅に目減りすることもゼロではないということです。

ではどうすればよいのか?
筆者が考えるその答えは、相場観にもとづき「安く買って高く売る」、これを景気サイクルに合わせて機動的に実行するということです。
 もちろん、資産運用は、不確実な将来に向かって資金を投下するわけですから、この方法も、「予測」にもとづいているではないか?との反論があるでしょう。確かにその通りです。

 しかし、この方法の良いところは、試行回数が増えることによりチャンスを増やすという点です。バブル後の日本のように長期的な右肩下がりの株価推移であっても、景気循環は何度もありました。実際に、1995年~1996年、1998年~2000年、2003年~2007年の3回、安く買って高く売るチャンスがあったのです。1回チャンスを逃しても、2回目、3回目で失敗を挽回できるチャンスがありました。さらに、投資期間を短く設定すれば、その間の相場の状況によりチャンスは増やせます。

  そして、そのチャンスを現実の利益に結びつけるのは「損切りの徹底」と「株価のトレンドに逆らわない」という2つのポイントです。これを守れば、国内外の株式や債券に分散して投資しなくとも、日本株だけで十分資産を形成することができたというのが筆者の考えです。
 これは、たとえ今後日本の低成長が続くとしても、景気循環がある限りは同じです。

 2008年は長期・分散投資をしていても、1年間で資産が30%、40%も目減りしました。「100年に1度のことだから、今までどおり長期・分散投資で大丈夫」と考えるのか、「時代は変わったのかもしれない、投資手法も変える必要がある」と考えるかは皆さんの選択です。
他にも選択肢はあるかもしれません。

もちろん、「安く買って高く売る」方法も簡単に儲かるわけではありません。相場観にもとづき、しっかりと「損切りの徹底」と「株価のトレンドに逆らわない」ことについて知識と技術を学ぶ必要があります。もし筆者の考えに不安があるならば、資金の70%は長期・分散投資に、残りの30%は「安く買って高く売る」に振り分けて試すのも一案です。

具体的な方法については、2009年6月下旬に日本経済新聞出版社より出版予定の『それは失敗する株式投資です!』にて、「安く買って高く売る」ために必要な知識や技術、失敗を回避する方法などについて詳しく書いています。ご興味のある方はご覧ください。

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プロフィール

足立 武志(あだち たけし)
公認会計士・税理士・ファイナンシャルプランナー(AFP)。
足立公認会計士事務所代表、株式会社マーケットチェッカー 取締役。1975年神奈川県生まれ。一橋大学商学部経営学科卒業。資産運用に精通した公認会計士。会計・税務業務にとどまることなく、執筆、セミナーなどを通じて、個人投資家 の資産運用に真に有益かつ必要な情報提供を行っている。著書に『すぐできる!らくらくネット株入門』(高橋書店)、『はじめての人の決算書入門塾』(かんき出版)がある。パンローリング社トレーダーズショップでBlogを執筆中。
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