HOME > マネーを学ぶ6つの方法 > メールマガジンで学ぶ > 第9回 粉飾ってどうやって見抜くの?~キャッシュフローを見抜け~
今回のお題は「キャッシュフローを見て投資しよう」です。
私は今年は、粉飾決算がブームになると見ています。
これは、いよいよ本格的に資本市場が浸透してくると、まじめに事業を
やるよりも、利益をかさ上げし、株価を吊り上げたほうがすばやくお金
を稼げるからです。
つまり、今の日本では、市場の浸透に知識の浸透が追いついてないとい
うことですね。
では、個人投資家が、粉飾などを未然に防ぐにはどうすればいいの
でしょうか?
一番よいのは、キッチリと財務を学ぶことです。 急がば回れといいます。
これからの日本人にとって、投資はどうせ一生やること。
だったら、今のうちにしっかり本質を学んでおいたほうがいいでしょう。
興味がある方は、本コラムの最後をご覧ください。
そうはいっても、今すぐ粉飾企業にひっかからないための有効な方法を
紹介しましょう。
それは、利益ではなく、キャッシュの動き(キャッシュフロー)
を見ることです。
両者の違いは何でしょう?
なぜ、利益とキャッシュがあるのでしょう?
それは、キャッシュ(現金)のフロー(流れ)だけでは、
本当に企業が成果を上げているのかが分かりづらいからです。
単純化して考えてみましょう。
ある会社がビルを100億円で建て、その年に売上げを20億円稼いだとします。
お金の動きだけを見たら80億円のマイナスです。
しかし仮にビルは10年間使えるものだとします。
すると1年分の費用は、10分の1の10億円といえます。
(100億円÷10年間=1年間の費用分の10億円)
そうなると、この年の「成果」は、売上20億円から費用の10億円を引いた
10億円ということになります。
成果(利益)で見るとプラス10億円ということです。
でも、お金、つまりキャッシュフローで見たらマイナス80億円です。
問題はどちらが正しいか?ではありません。
「いくら成果を上げたか?」を判断する場合は利益を見ればいいし、
「いくら(お金を)稼いだか?」はキャッシュフローを見れば良いということ。
ここでのポイントは、成果(利益)は会計という「ルールに基づいた評価」
であるのに対し、キャッシュフローは「事実」だということです。
粉飾決算は、この会計というルールを曲げて、利益をかさ上げすることです。
利益は「前提」によって変わります。
たとえば先ほどの例では、「ビルが10年使える」ということを「前提」とし
て利益を算定しています。
しかし、たとえば、ビルが10年ではなく、20年使えると言ってしまうと、
最初の年の利益は、15億円(売上げ20億円 マイナス ビル代5億円〈100億円の
20分の1〉)となります。
一気に、利益が10億から15億に上がりました。
すると、これを受けて株価も上がるでしょう。
利益とは危ういものです。
このような状況に惑わされないように、キャッシュフローを見るのですね。
ただここで注意です。
キャッシュフローを見るときには、一年だけで見ないで最低でも5年の推移
を追うようにしましょう。
そうすることによって、会社の動きが手に取るように見えてきます。
いかがでしたか?
次回は、もう少し詳しくキャッシュフローを見て投資する方法をご紹介します
企業分析に興味がある方へ
損益計算書(P/L)がわかると、「過去」がわかり、
貸借対照表(B/S)が読めると、「今」がわかる。
キャッシュフローが読めると、「意思」がみえ、
ビジネスモデルがわかると、「将来」が予測できるといいます。
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山口揚平: ブルーマーリンパートナーズ代表取締役。
早稲田大学政治経済学部卒。多数の大型買収案件に参画するなかで外資
系ファンドの投資手法や財務の本質を学ぶ。現在は、経営コンサルティング、
講演・執筆などニッポンの個人投資家啓蒙活動に従事。夢は「小・中学生の
ための株式投資入門講座」開催。ホームページ>> http://bluemarl.in
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