HOME > マネーを学ぶ6つの方法 > メールマガジンで学ぶ > 第10回 粉飾決算にだまされるな!
~キャッシュフローを見抜いて投資せよ!の巻~
前回は、キャッシュフローの意味をお伝えしました。
今回は、キャッシュフローの見方をご紹介します。
もし、興味があるなら、今回は“じっくり”と読んでください。
5分かかりますが、一生モノの知識が手に入ります。
ではいきます!
まず注意ポイントは、「キャッシュフローは長い期間で見る」ということ。
1年や2年のキャッシュフローは大きく波を打ちます。
だから、「最低でも5年間のキャッシュフローの動き」を見なければなりません。
さて、キャッシュフローは、営業・投資・財務の3つに分類されます。
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●営業キャッシュフローは本業からの稼ぎを表します。
●投資キャッシュフローは設備投資や企業買収などの投資に使ったお金です。
●財務キャッシュフローとは、会社の借金やその返済、株主に払った配当金です。
この3つのキャッシュフローのうち、主に見るのは、
営業キャッシュフローと投資キャッシュフローの2つの動きです。
財務キャッシュフローはその2つの「調整弁」となります。
企業はお金が足りなければ調達(借入、増資)をしますし、手元に余れば還
元(返済、配当)するのです。
では、営業キャッシュフローと投資キャッシュフローの関係を見てみましょう。
企業は事業を始める時にまず投資を行ないます。
これが投資キャッシュフローで、マイナスになります。
そして、その結果としてキャッシュを稼げるようになる。
これが営業キャッシュフローです。
製造業なら、製造ラインを整えるために設備投資を行ない、
作った製品を売って営業キャッシュフローを稼ぐという流れになります。
この営業キャッシュフローと投資キャッシュフローを足したものを
「フリーキャッシュフロー」といいます。
営業キャッシュフローと投資キャッシュフローの合計がプラスなら、
手元にお金が増えたことになります。
フリーキャッシュフローの流れを、シェアーズが開発した
縦軸に投資キャッシュフロー、横軸に営業キャッシュフローをとった図で見
てみると、非常に分かりやすいです。
以下は、トヨタ自動車の例です。

トヨタは、投資キャッシュフローのマイナスが営業キャッシュフローのプラ
スを上回っている状態です。
しかし、本業の調子が良いので、更なる成長拡大を狙っている状態です。
積極的に投資をしている企業は投資期 2 の領域に入ります。
企業が安定してくると、安定期 1 の領域に移ります。
これは、営業が投資を上回っている状態です。
フリーキャッシュフローがプラスになっており、実際に稼げている状態です。
この領域で、徐々に右下に向かっている会社が良い発展をしている会社です。
例えば、アスクル(2678)は、投資をして営業キャッシュフローを稼ぐこと
を繰り返しながら発展しています(現在も、最新鋭の大型流通センターを大
阪、仙台に作っています)。
アスクルのキャッシュフロー

やがて企業が停滞してくると、停滞期 3 の領域に入ります。
営業キャッシュフローがプラスですが、投資キャッシュフローもプラスという
状態です。
つまり投資をしておらず(事業拡大をする気持ちが無く)、
手元にある財産(有価証券など)を売却しているため、投資キャッシュフロー
がプラスになっている状態です。
投資がなければ次の稼ぎ(営業キャッシュフロー)も生まれないため、
この状態が続くと、企業は低迷していくことになります。
ダイエー(8263)は本業から入ってくる営業キャッシュフローが年々減少し
ており、既存店舗や企業の売却のために投資キャッシュフローがプラスになっ
ています。

この売却で作ったお金で借金を返済しているという仕組みです。
さらに、本業で営業キャッシュフローを稼げなくなってしまうと、企業は固
定資産などをどんどん売り、不足しているキャッシュを補填するようになりま
す。そうなると企業は低迷期 4 に入ったといえます。
さらに進んで株や土地などの売るものがなくなると、いよいよ後退期 5
に入ります。
これは営業キャッシュフローがマイナスで、それを補完する投資キャッシュ
フローがない状態です。
そして、(非常に寂しいですが)稼ぎもなく売り物もなくなると、
あとは財務キャッシュフローでお金を調達しなければならなくなります。
これが破綻期 6 です。
資金が不足し、調達できなければ会社は破綻に至ります。
つまり、企業の栄枯盛衰をみると右下から始まってぐるーっと反時計回りに
進み、左下で終わるということです。
いかがですか?
このように営業と投資のキャッシュフローの流れを見ると、企業が投資段階
なのか?回収段階にいるのかがわかります。
利益は出ていても実際にキャッシュフローを稼げていない会社は案外多いも
のです。
そういう会社は粉飾をしているか、あるいは将来の特別損失という形で一気
に会計上の損失を計上する危険性があります。
そのようなことにならないよう、投資前にはキャッシュフローをじっくり見るべきです。
今回のコラムで使用した、上場3000社のキャッシュフローの動きが一目でわ
かるツールはこちらです。よかったらご利用ください。
>> http://dp00003180.shop-pro.jp/?pid=2144207
次回は、「相場を見るか、企業を見るか」です。
お楽しみに。
追伸;
(*)アスクルの詳しい銘柄分析は、マネックスで行ったセミナーDVDで
紹介しています。
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山口揚平: ブルーマーリンパートナーズ代表取締役。
早稲田大学政治経済学部卒。多数の大型買収案件に参画するなかで外資
系ファンドの投資手法や財務の本質を学ぶ。現在は、経営コンサルティン
グ、講演・執筆などニッポンの個人投資家啓蒙活動に従事。夢は「小・中
学生のための株式投資入門講座」開催。
ホームページ>> http://bluemarl.in
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