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< 4 > 「しろやぎ通信 from NY」
第13回 新興国がドミノ倒しになる可能性がある一方、日本円は最強通貨。
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2 週間前の前回コラム以降、米国は金融危機対応について方向転換をし、7000億ドルの資産買取制度のうち、2500億ドルを使って「健全な」金融機関に資本を注入することにしました。金融機関から資産を買い取るより余程効果的です。
中央銀行による各種流動性対策にも支えられ、短期金融市場(銀行間市場)は正常化の方向に向かっているのは、LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)が低下していることに表れています。
一方、この間、信用収縮から米国を始めとした先進国の景気が急激に悪化していることも明らかになってきました。こうした状況を映じて、原油・金属・農産物等のコモディティ価格が急落しています。
今年の前半まで、コモディティ価格の上昇で急成長を謳歌していた新興国にとっては、歯車が逆回転していることを意味します。
こうした中、今週に入ってアルゼンチンの大統領が290億ドル相当の年金資産を国有化する意向を示しました。前回アルゼンチンが年金資産国有化を行ったのが2001年の同国が債務不履行を行う直前であったことから、市場は同国の資金繰りの逼迫状況を感じ取り、今世紀2度目の同国の債務不履行の可能性を織り込むに至っています。
これをきっかけに何が起こっているかというと、新興国の通貨・株・債券が一斉に売られ始める兆しが出ています。この数年続いた資源高から、過去に比べると、多くの新興国は外貨準備を積み上げていますが、通貨価値を維持しようとするならば、これが払底するのも時間の問題です。それが見えてしまうと、資産の売りが売りを呼ぶというマイナスの循環が発生する可能性が出てきます。
そうなった場合には、最終的にまとまった資金を付けて事態を沈静化できるのは、IMFと他の先進国、および一部のSWFだけですので、市場の性(さが)として、それが出てくるまでは売り続けられる可能性があるかもしれません。
さて、こうした状況下、通貨という観点でみると、すでに金利がゼロ近傍にある日本円が、足許は結果的に世界の最強通貨になっています。長期的には人口も減少し、経済が縮小することが見込まれている日本の円は、長期的に強い通貨であり続ける可能性は低いと思っています。その意味では、他国の投資家に比べ、日本の投資家にとっては、足許でリスクを取れる余力は大きいと考えています。
ボラティリティが依然として極端に高く、米国の機関投資家も多くが様子見をしている状況が継続していますので、各国の株式市場がさらに下値を探りに行く可能性は十分あります。したがって、あせってプールに飛び込む必要はないと思いますが、日本の投資家としては、外貨のリスク資産については、長期的にみると非常に良い投資機会が近付いているという認識を持ちながら市場を見ていくのが良いと思います。潮目の変化を探るためには、株価だけではなく、ボラティリティの指数であるVIXが沈静化するか?ということと、市場の出来高が増えるかにも目を凝らしておく必要があると思います。
■ VIX 指数のデータはこちら(※1)か、Wall Street Journalのマーケットデータのページをご覧ください。
※1のURLのページ上部に New methodology: VIX data for 2004 to present(Updated Daily) *という記載があります。ここをクリックすると、2004年から現在までのリアルデータをcsvファイルでダウンロードすることができます。
2003年以前のものについては、New methodology: VIX data for 1990 - 2003 * こちらからエクセルファイルでダウンロードすることができます。 (但し終値ベースのみ)
2004年1月2日~2008年10月23日までの終値のグラフ