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第10回 ニッセイ基礎研究所 金融研究部門 臼杵 政治 さん

あなたは掛け捨ての年金に入りますか

今年1月で49歳を迎え、そろそろ老後(引退後?)が気になり始める時期に
なった。では、老後における金銭のリスクとは何だろうか。1つには貯蓄や
年金が不十分なために、病気になったりした時に蓄えが足りなくなるリスクが
ある。しかし、実は多くの日本人がもっと気にかけてよいのが、長生きしてし
まってお金が足りなくなるリスクなのである。祝うべきことであるけれども、
長生きすればするほど生活費は嵩む。
ゆとりある老後生活を送るためには・・・・

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ゆとりある老後生活を送るためには夫婦で月収35万円程度が必要だという。
一方、サラリーマンの引退後の厚生年金は夫婦でせいぜい月25万円程度であ
ろう。足りないのは月10万円、年120万円である。これを自分の貯蓄でまかな
おうとしても、死期が不明なため何年分必要になるか計算できない。

60歳で定年を迎えた後、夫婦が2人とも70歳で亡くなるのなら、1,200万円で
済む。しかし、100歳まで生きるのなら4,800万円必要になる。このリスクに対
応するのが年金、特に終身年金である。この夫婦が月10万円を死ぬまで受け取
れる終身年金に加入すれば、たとえ90歳、100歳まで生きたとしても、生活費が
足りなくなる心配は無用になる。また、生活のために他の蓄えを取り崩す必要
もないので、医療費などいざという時の出費にも備えておける。

しかし、公的年金を除くと純粋な終身年金はほとんど普及していない。一つ
の理由は、消費者の多くが終身年金の意味を理解できていないことにある。
上の例で60歳の人が平均で20年生きるとすれば、60歳で一時に払う掛け金は、
年120万円の20年分にあたる2400万円である。
なぜ、2400万円しか払っていない人が、100歳まで月10万円を受け取れるのか。 
「保険商品」としての性格上、長生きできなかった人が受け取らなかった分
を長生きした人に分けるからである。だから、終身年金は途中解約ができないし、
長生きできなかったからと言ってお金が返ってくることもない。
 
長生きすると掛け捨てになる生命保険とちょうど反対に、早死にすると掛け捨て
になる保険が終身年金なのである。ところが、実際には、年金を受け取っている
最中に、お金が必要になったから返してほしいという人も少なくないという。

掛け捨てなら年金には入らないという人も多いだろう。しかし、2050年には
男性で83歳、女性で90歳というのが平均(!!)寿命だという。長生きのリスクへ
の対応が公的年金だけでよいのか。あるいは一部の主張のように、公的年金を
なくしてしまっても、消費者1人1人がそのリスクに対応する知識と用意があ
るのか。一段と進む長寿化には、個人の自助努力で対応しようと言うのなら、
まず自ら問うべき点である。

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次回は、エリエス・ブック・コンサルティング代表取締役の土井英司さんに
ご登場いただきます。
(URL>> http://eliesbook.co.jp/
慶應義塾大学総合政策学部卒業。日経ホーム出版社を経てAmazon.co.jp 
立ち上げに参画し、2001年には同社のCompany Awardを受賞。業界の「陰の
仕掛け人」として、数多くのベストセラーを手掛けた。現在は、出版コンサル
タントとして活躍。読売新聞でも連載を担当。 著書『「伝説の社員」になれ!』。

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