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< 4 > 「石田 和靖のドバイ・中東湾岸レポート」
第 25 回『原油価格によって投資方針の舵取りを大きく変える政府系ファンド
(SWF)の3つの投資コンセプト ~政府系ファンドAbu Dhabi Investment Company~』
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こんにちは。石田和靖です。
新年あけましておめでとうございます。
本年もマネックス・ユニバーシティ、そして本メルマガをよろしくお願いします。
昨年最後のメルマガでちらっと報告しましたが、私は年末ドバイとアブダビへ行っておりまして、金融危機後のUAEを自分の目で見てきました。
今回はとある大物政治家さんの視察同行でアテンドすることになりまして、アブダビの政府系ファンドなんかにもアポイントいれてみました。
私自身も、政府系ファンド(SWF)の内部に潜入するのは初めてですし、この金融危機の最中、彼らがどんなことを考えているのか、直に聞くのも非常に興味がありましたので、半ば興奮気味でした。
また、以前と比べて街がどう変わっているのか?色々自分の目で確かめてきました。
色々見たり聞いたりしてきた中で今回は、アブダビ首長国のの政府系ファンドである、ADIC(Abu Dhabi Investment Company)へ行ってきたことをご報告したいと思います。
そもそも、よくメディアで登場してくる「アブダビ投資庁」とは、ADIA(Abu Dhabi Investment Authority)という政府系ファンドを指すことが一般的です。
ADIA(Abu Dhabi Investment Authority)のウェブサイトはこちらから
ADIAはアブダビ首長国にて、1976年に設立され、その目的は石油枯渇後のアブダビ市民を養うための、年金基金として運用が開始されました。その翌年、1977年に、ADIAの資金を効率よくリスク分散させるために、ADIC(Abu Dhabi Investment Company)が運用を開始しました。
ADIC(Abu Dhabi Investment Company)のウェブサイトはこちらから
12月28日はイスラム歴の上でのお正月になり、オフィスはすべてお休みになりましたので私は12月29日にアブダビ市内にあります、ADICにアポイントをとり訪問してきました。そこで貴重なお時間をいただき、約2時間に渡り色々なお話を聞いてきました。
基本的にオイルマネーを資金源として運用をしていくアブダビの政府系ファンドは、原油価格の水準によって対応を変えていて、ざっくりと以下のようなコンセプトがあるそうです。
1)原油価格40~50ドル程度の水準では、新しい投資はしない。もしくは、現在投資しているものを一旦売って、投資をする。あるいは様子見。
2)原油価格70ドル以上の場合
積極的に新しいものに投資をしていくが、投資対象としては自国およびMENA地域の企業に大きな比重を置くだろう。MENA地域の中でも特に、サウジ、エジプト、モロッコは人口も多く、まだまだ産業が発展する伸びしろも大きいため、期待は大きい。
3)原油価格100ドル以上の場合
アフリカ・アジアも含めた新興国への投資に大きく注目し、実際に投資を始めるだろう。原油価格100ドル以上あれば、大きなリスクをとれるようになる。
以上1~3は、アブダビだけではなく、サウジ・ドバイ・クウェート・カタールなど、湾岸産油国の政府系ファンドすべてにほぼ言えるのではないかとのことでした。
いわゆる湾岸産油国の政府系ファンドは、原油価格によって大きく投資方針の舵取りを変えますが、今後の原油価格のトレンドがどう変わるかを見極て、動いていくのでしょう。
また、そのトレンドによってオイルマネーの行き先が変わってくるのです。どう変わっていくか具体的に見ていくと、
例えば、原油価格が70ドルを超えてくれば、GCC(湾岸協力会議)諸国を中心にしてMENA(中東北アフリカ)地域に、大きく投資資金が入ることを意味します。
原油価格が100ドルを超えてくれば、資金はインド・ベトナムなどに向かうでしょう。
また、原油価格が40~50ドルのうちは、彼らは様子見で動かないということです。
ところで、「今の日本の企業は割安で魅力的ではないか?」と聞いたところ、確かに割安で魅力的だが、世界を見渡せばもっと割安で魅力的なものはたくさんある。現時点での投資は考えていないが、長期的に考えると日本企業への投資もそのタイミングはやってくるだろう。
ということを言っていました。
つい数ヶ月まで、世界のあらゆる企業を活発に買収し、日本のメディアもにぎわせていたアブダビ政府系ファンドですが、いまは大人しく虎視眈々と世界の様子を見ているようでした。
他にも、湾岸単一通貨、サウジアラビアの株式市場開放など、色々なことを聞いてきましたので、別の回でみなさまにご報告したいと思います。
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石田 和靖: ザ・スリービー代表取締役
年に十数回、香港・タイ・UAEなど各国を訪問し、香港、タイ、ドバイ、サウジ
アラビアの証券会社にも太いパイプを持つ。
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