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< 4 > 「石田 和靖のドバイ・中東湾岸レポート」
第 20 回『アブダビ・イスラミック・バンク(Abu Dhabi Islamic Bank)』
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さて、前回・前々回と、アフリカの心臓部スーダンに、アラブ圏のお金が流入しているというお話をしてきました。
そういったお金の流れに重要な役割を果たしているのがイスラム銀行です。イスラム銀行というのは、イスラム教の教義に沿ったビジネス内容に対して、イスラム教の教義に沿ったやり方で資金を融通する銀行です。
「イスラム教の教義に沿ったビジネス」というのは、豚肉・ポルノ・ギャンブル・アルコールなどのイスラム教で禁じているビジネス以外のものを言います。
「イスラム教の教義に沿ったやり方」というのがありどんなやり方かというと、実体の無いものに対する金銭の受け渡しを禁じるということから、貸付から「利子」を受け取ることを禁じています。なので、お金を貸したら貸した先の事業から利益が出て「配当」というかたちで受け取ります。
今回ご案内する「アブダビ・イスラミック・バンク(Abu Dhabi Islamic Bank)」はそういったビジネスを展開するUAE(アラブ首長国連邦)のイスラム銀行です。
アブダビ・イスラミック・バンク(Abu Dhabi Islamic Bank)
私はここ、アブダビ・イスラミック・バンクに2008年7月に行ってきました。私が行ったのは、ドバイのシェイク・ザイードロード支店。
非居住者の銀行口座開設が困難なUAEですが、ここはある条件付きで開設可能で、パスポートと初回預入(Initial deposit)のAED500(約13900 円)があれば非居住者でも口座を開設することができます(2008年7月現在)。
ある条件とは、ATMカードとそのパスワードが記載された紙を、3週間以内に現地で受け取れることが必要になります。受け取りは代理人でOKです。代理人が受け取る場合、委任状を作成しておかなくてはいけません。
ここで日本人が口座を開設する目的は、主に以下2点だと思います。
・ディルハム建て預金
・ドバイ株の配当金(ディルハム建て小切手)預け入れ用
<<写真:ビザカードキャンペーン>>
さて、そんな一部のマニアックな日本人にも注目されつつあるアブダビ・イスラミック・バンクは、1997年に設立された新しい銀行です。現在はアブダビ証券取引所に上場していますが、残念ながら外国人は同行の株式を今のところ買うことはできません(外国人保有枠0%)。
そして、みなさんご存知の通り、いま世界最大の政府系ファンドを持つUAEのアブダビ首長国政府のイスラム銀行です。アブダビ首長国は株式の14%を持ち、またアブダビの首長家アル・ナヒヤーン一族が、24.2%を持っています。とにかく、その背景にある資金力は十分すぎるものだと思います。
また設立当初から富裕層向けサービスに力を入れており、アブダビ・イスラミック・バンクは、顧客の信用度が高い(富裕層が多い)というのが、UAE国内の他行と比べても、圧倒的な強みとなっています。
<<写真:ADIBプライベートバンキング>>
また、アブダビ・イスラミック・バンクが保有する米ドル建て資産が、全体のうちわずか0.1%なので、サブプライム問題後の米国経済の影響は、同行の収益にはほとんど関係ありません。UAE国内の金融機関の中でも、さらに米国と相関性の低い金融機関であると思います。
イスラム銀行については、「第 9 回 最強のイスラム銀行、ドバイ・イスラミック・バンク(DIB)」でもお話しましたが、私たち非イスラム教徒には少し理解しがたいサービスなどもあり、銀行を覗き見してみると、そのサービスなどに、大変興味が沸くことと思います。
「第 9 回 最強のイスラム銀行、ドバイ・イスラミック・バンク(DIB)」
例えば、私が実際に行ってみて感じたことですが、
「男性・女性と、窓口が別々」
「ちょっと口座を開くにも、個室に通されアラビックコーヒーでおもてなし」
など、イスラム文化独特のサービスに強く興味がひかれることでしょう。
このようなイスラム銀行のサービスは、世界的に拡大していると言います。また、同行はイスラム教徒向けだけではなく、非イスラム教徒もターゲットとしているので、イスラム教と非イスラム教のミックスカルチャーを感じることのできる面白い銀行だと思います。ぜひ一度足を運んでみてください。
<<写真:銀行のロビー>>
また、アブダビ・イスラミック・バンクは中東地域において強いブランド力があり経済が多様化・グローバル化しているこの地域での業務は、同行にとっても大きなチャンスであり、この世界同時不況の最中でも急速に業務を拡大中です。
ただ、イスラム金融というビジネスは、欧米の金融機関なども続々と参入しており、今後、商売敵がたくさん登場し、競争が激しくなってくる可能性もあります。
次回は、「アブダビ証券取引所(ADX)」をご案内します。
