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< 4 > 「石田 和靖のドバイ・中東湾岸レポート」
第 19 回『スーダンに突如現れたカダフィの卵、ブルジュ・アル・ファテ・ホテル』
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さて、前回はスーダンの巨大プロジェクトである「アルモグラン(ALMOGRAN)都市開発プロジェクト」の話をしました。
スーダンは今、アラブ圏からの投資が加速しており、特にスーダンの首都であるハルツームでは街の様子が日々変化しつづけております。まるで生きているようです。
オイルマネーを運用する湾岸産油国と同じ、アラビア語・イスラム圏であるスーダンは、土地・建物・人件費・電気代など・・・まだまだ色んなものが湾岸諸国よりも格段に安く、そして膨大な地下資源と肥沃な大地もあり、共通言語の湾岸産油国にとっては絶好の投資対象となっています。
オイルマネーの流入が加速する、アフリカの心臓(Heart of Africa)スーダン。
そして、青ナイルと白ナイルが合流する肥沃な大地ハルツーム首都圏では、豪華ホテルも次々に建設されています。
なぜこんな地に、豪華ホテルが次から次へと建設されているのか?
それは、ドバイの銀行マンが言っておりました。
「ハルツームはホテルが足りない」
中東地域から実に様々な企業が進出していて、ビジネス需要が急激に増えているにも関わらず、ホテルの数が足りないので、ハルツームへの出張は、ホテル予約をとるのも大変だとのことです。
<<写真:建設中ホテル (何も無いところにホテルが建てられています)>>
またエミレーツ航空もドバイからハルツームへのダイレクト便を飛ばしておりますが、これがまた大変混んでいました。
2008年4月22日の午後、私が乗ったのが、エミレーツ航空733便ドバイ発14時40分、ハルツーム行きの大型のジャンボジェット機でした。その飛行機に乗っている人たちは、半分近くがなんと中国人。残りの半数が、アラブ人・ヨーロッパ人・アフリカ人といった感じでした。
<<写真:ドバイ発14時40分ハルツーム行き EK733便>>
湾岸産油国や中国・インド・マレーシアの人たちはスーダンに拠点構築にと、とにかくドバイ~ハルツーム便は今非常に混みあっています。それだけビジネス需要があるにも関わらず、ハルツームにはまだまだホテルが足りないのです。
<<カダフィの卵1 (正面)>> <<カダフィの卵2 (別の角度)>>


この2枚の写真は、ハルツーム市内の中でもひときわ目立つ奇妙なホテル、それが通称「カダフィの卵(Kadhafi's Egg)」と呼ばれる、「ブルジュ・アル・ファテ・ホテル(Burj Al-Fateh Hotel)」です。
「カダフィの卵」はその名のとおり、実質的な国家元首カダフィ大佐(ムアンマル・ムハンマド・アル・カッザーフィー)率いる、リビア(大リビア・アラブ社会主義人民ジャマーヒリーヤ国)の資本によって建てられたホテルで、つい最近オープンしました。
ハルツーム市内のナイルウォーターフロントに建ち、卵型の形をしていることから、「カダフィの卵」と呼ばれて親しまれています。
この建物は、デザインの奇妙さ斬新さ、そしてほかに大きな建物の無いハルツーム市内なので、とにかく遠くからでも目立ちます。ハルツームから車で移動した先の、オムドゥルマン、ノースハルツームのナイル川の鉄橋の上からも目にすることが出来ました。次にスーダンへ行く機会があれば、ぜひここに泊まってみたいと思っております。
スーダンの首都ハルツームには、いまこのようにアラブ産油国や中国、インド、マレーシアなどの資本がたくさん流入しています。テロ支援国家、世界失敗国家などあらゆるレッテルを貼られるスーダンですが、住民曰く、「南北内戦は確実に終結に向かっています。そしてハルツームはどんどんよくなっている。」
もちろん、テロや戦争などを好き好んで支援する人間などこの国にはいません。一部の政府の人間によって、この国全体がこれまで低迷してきました。
しかし現在は変わりつつあります。スーダン人には仕事が増え、そして少しづつですが豊かになり、また仕事を求めて田舎からハルツームに出稼ぎにくる人もたくさんいるとのこと。
ハルツームは、外国の企業も進出し仕事が一気に増えて雇用はたくさんあるということです。
現に、私のドライバーを務めてくれたスーダン人は、「以前中国系の石油会社で働いていたが、もっと条件がよかったので、先月旅行代理店に転職してドライバーとガイドをやっている。」
・・・とのことでした。彼の友人も、さらにいい条件を求めて転職先を探しているそうです。
<<写真:ガソリンスタンド (ここにも中国系の資本が入っているとか)>>
<<写真:中国の看板 (ハルツームの街ではよく中国語の看板を見かけます)>>
そういった順調に雇用を生んでいる原因は、前述の通り、また前回も述べた通り、湾岸諸国や中国、マレーシアからの多額の投資です。
特に湾岸諸国からの活発な投資は、彼らスーダン人の生活を徐々に豊かにさせています。
スーダン人は英語を話せる人もいますが、まだまだ多くの人がアラビア語のみしか話せません。湾岸諸国はアラビア語圏ですから、アラビア語しか話せないスーダン人にも十分な雇用の機会を与えています。
ちなみに、ハルツーム市内では「中国石油天然気(ペトロチャイナ)」の看板をかかげるガソリンスタンドをたくさん見ました。また、このようなところで働く人たちは、スーダン人と中国人です。
中国やインドはみなさんご存知の通り、人口10億人以上を抱える巨大消費国で、その2つの国がここ数年で急激な発展を遂げ、国民は豊かになっています。例えば、国民所得がたった100円豊かになれば、中国やインドは、100円×10数億人という、巨大な分母があるわけです。
豊かになれば、自動車に乗ったり、旅行へ出かけたり、電化製品を買ったりで、様々な範囲にわたって国民の生活はエネルギー消費量が急増しますから、人口10数億人も抱える、中国やインドは、「石油は死活問題」なわけです。
中国は数年前まで石油輸出国でしたが、あっという間に輸入国に変わってしまいました。これだけ莫大な人口を抱える中国ですから、中国政府の力が及ぶ中国でナンバーワンの石油会社ペトロチャイナは、アフリカへも石油を確保しにいかねばならないのです。
次回は、舞台をアラブ首長国連邦のアブダビに戻し、世界最大の政府系ファンドを持つアブダビ政府のイスラミック銀行、「アブダビ・イスラミック・バンク(Abu Dhabi Islamic Bank)。」をご案内します。
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石田 和靖: ザ・スリービー代表取締役
年に十数回、香港・タイ・UAEなど各国を訪問し、香港、タイ、ドバイ、サウジアラビアの証券会社にも太いパイプを持つ。
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