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< 4 > 「石田 和靖のドバイ・中東湾岸レポート」
第 18 回『スーダンの都市開発マスタープラン、アルモグラン(ALMOGRAN)』
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さて、前回のサウジから今度はスーダンへと場所を移します。
(※)前回は、「アラビアのバフェット、アルワリード王子のキングダムタワー」をお届けしています。
サウジアラビアとスーダンはなかなか密接な関係にあります。
私がサウジアラビアの首都リヤドへ降り立ったとき、空港の出口を出ると、大勢の人たちが、タクシーの勧誘をしていました。
後々宿泊したホテルで聞いてみたところ、サウジにはスーダンからの出稼ぎ労働者が多く、その仕事は主にタクシードライバー、らくだ牧場の飼育員などの労働に従事しています。
そしてサウジもスーダンもイスラム教国家で、紅海をはさんで互いに対岸に位置し、どちらも日本の6~7倍という面積の大きな国です。
紅海というのはスエズ運河の手前に位置しているので、国際物流の要所です。
ここ数年で、アジア・中東地域が急速な経済発展を遂げてきましたので、アジア~中東~欧州をつなぐコンテナ船の交通量が増え、いまスエズ運河は大渋滞で、運河を抜けるのに1週間~10日間ほどの順番待ちという状況です。
しかし、ただ海にぼーっと浮いて順番を待っているわけにもいきませんから、スエズ運河を抜ける順番を待つ間、周辺の大型港湾に停泊し、効率的な貨物の積み替え作業を行います。
それをさらに拡大するために、サウジやスーダンでは、さらにたくさんのコンテナ船が停泊できる大型の港湾開発を行っています。
そういう戦略的な場所に位置するのが、サウジとスーダンです。
スーダンの紅海沿岸都市「ポートスーダン」から内陸部に入っていくと、ちょうど国の真ん中に首都「ハルツーム」があります。
<<wikipediaフリー百科事典より引用>>
スーダンの首都ハルツームにいま様々な業種で外資の誘致を行っており、スーダン共和国産業投資省投資局による、「投資促進法」というのが1999年に制定されています(2000年改正)
このスーダン投資促進法によると、農業、畜産、製造業、エネルギー、鉱業を中心に外国企業の投資を呼び込み、そしてそこで作られたものは、ハルツーム~ポートスーダンへと運ぶインフラ(道路やパイプライン)と、紅海沿岸のポートスーダンの開発によって物流の優位性なども大きな特徴となっています。
そして、そういった投資をさらに強く呼び込んでいくために、いまハルツームが大きく変わろうとしています。それがこのメルマガのタイトルにもある、「アルモグラン(ALMOGRAN)都市開発プロジェクト」です。
私は今年6月、アルモグランのマスタープランを手がける現地の大財閥、ダルグループ(DAL Group)へ行きました。
そこで私はダルグループの役員の方とお会いして、色々なお話を伺ってきました
「スーダンは今後数年掛けてすごいことになるよ」
「海外からの投資が加速してみんな急速に豊かになっている」
「手付かずの石油と希少金属が豊富に眠っている」
「南北内戦はゆっくりと終結に向かっている」
「スーダンに石油が無かったとしても水と食糧がある」
「スーダンはハート・オブ・アフリカだ」
「高級車が飛ぶように売れているよ」
「スーダンの田舎から安全と仕事を求めて人はハルツームにやってくる」
・・・などなど、ここでは書ききれませんがとにかく私の持っているスーダンのイメージを、ことごとく覆す色んなお話を聞いてきました。
その中でもっとも強烈な印象だったのが、アルモグラン都市開発プロジェクト。
<< この写真は、Dal Group提供より提供いただきました。>>
このプロジェクトは、前述の投資促進法の目的をさらに促すための、スーダン政府による本気モードのプロジェクトです。
ハルツーム首都圏(ハルツーム、オムドゥルマン、バハリ)という3都市を、アフリカ大陸のビジネスハブにしてしまおうという巨大プロジェクトです。
ハルツーム首都圏は、ナイル川、青ナイル、白ナイルという3つのナイルで分断されたナイルウォーターフロントで、スリーシティと呼ばれています。このスリーシティを、5年程度かけて大開発してしまおうというわけです。
しかしハルツームにはいま、何もありません。道路すら舗装されていないところも多く、「本当にここが1国の首都か?」と思うほどです。

そんな光景の街に、ドバイのような街アルモグランが本当に作れるのか?私は甚だ疑問に感じたのですが、これがスーダン独自のプロジェクトだったら実現性は乏しいと思います。しかしダルグループの方のお話によるとこれは、
スーダン、UAE、マレーシアというイスラム教国家3カ国のジョイントベンチャーによる、巨大プロジェクトなのだそうです。
UAEには、ドバイやアブダビなどの世界でもトップクラスの都市開発ノウハウがあり、マレーシアには、イスラム金融の資金調達ノウハウがあり、この3カ国のタッグは実に実現性が高いのではないかと感じました。
私がこのアルモグラン都市開発プロジェクトのDVDを見せられたとき、「街の雰囲気やビルのデザインなどがドバイに似てますね」と言ったら、「そうだよ、リトルドバイだよ。私たちはアフリカのドバイを目指す」ということを、ダルグループの役員は、話をされておりました。
ドバイの経済モデルが、こんな離れたラストフロンティアのアフリカ大陸まで影響が及んでいることにも大変驚きましたが、それを実現させようとしてすでに動き始めている新生児、スーダンという国の可能性にも驚きました。
スーダンという国は、まだまだ国内に多くの問題を抱えています。しかし、その問題が解決されて、平和的に投資できる日が来るのはそう遠くはないと信じています。
石油にレアメタルに水に食糧。人類にとって必要なものを多く持つ国スーダン。そこには、アラブ圏や中国・インド・マレーシアなどの国々が多額の投資を始めており、新興国が新興国に投資・支援をする「南南協力」という構図ができあがっています。
これまでは、先進国が新興国に投資・支援をする「南北協力」という構図でしたが、アメリカも欧州も、もちろん日本にもお金がありません。
どこにお金があるのかというと、アラブ圏、湾岸産油国、中国などの新興国です。
そういった国々のお金が、いまアフリカのスーダンを平和に導くだけの力をつけてきました。今後こういった「南南協力」の構図はますます強めていくのではないかと思います。
次回は、カダフィの卵「ブルジュ・アル・ファテ・ホテル(Burj Al-Fateh Hotel)。」をご案内します。
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石田 和靖: ザ・スリービー代表取締役
年に十数回、香港・タイ・UAEなど各国を訪問し、香港、タイ、ドバイ、サウジアラビアの証券会社にも太いパイプを持つ。
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