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< 5 > 「石田 和靖のドバイ・中東湾岸レポート」
第 12 回『中東最大の不動産デベロッパー、エマール・プロパティ(EMAR)』
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今回は、エマール・プロパティ(EMAR)をご案内します。
エマール・プロパティは、中東最大の不動産デベロッパーです。
私はこれまで計9回ドバイに行き、色々な企業を訪問しているのですが、金融機関を除くとエマールは私の中で一番訪問回数の多い企業です。
合計4回訪問しておりますが、プロジェクトごとに色々とオフィスがあり、訪問先はそのときによって様々です。
エマールは先日NHKドキュメンタリー特集でも紹介されていましたが、ドバイ首長国政府が力を入れる、巨大不動産デベロッパーです。
内陸部の開発に力を入れるエマールと、ペルシャ湾岸部の埋め立て工事に力を入れるナキール(Nakheel)。この2社をNHKスペシャルでは、
「陸のエマール、海のナキール」
といった言葉で表現していました。
現在エマールが手がけるプロジェクトのひとつ、それが先日行ってきた、
「ブルジュ・ドバイ」です。
ブルジュ・ドバイは高さ800m、160階建て、世界最高の高さを誇る超高層ビル。2009年中の完成を目指して、今建設が24時間体制で進んでいます。
そしてこの「ブルジュ・ドバイ」を中心に、「ダウンタウン・ブルジュ・ドバイ」という巨大な街づくりが進行中です。
ここはビジネスベイという、中東のビジネスハブになる予定区域の中心部にあたり、すでに世界中の大企業がここの物件を押さえています。
また、完成すると売り場面積世界最大のショッピングモールとなる、ドバイ・モール(The Dubai Mall)もダウンタウン・ブルジュ・ドバイにあり、もちろんこれもエマールが手がけるプロジェクトです。
エマールの魅力は、ただの「ハコ作り」ではなく、「教育」や「医療分野」にもフォーカスした「ヒトが住みやすい街づくり」を目指しており、プロジェクトを進める際には、病院や学校などの配備に高い優先順位をつけて進めていきます。
ドバイだけではなく、MENA地域を中心として、病院やインターナショナルスクールの建設を進めるエマールは、社会貢献性の高い不動産デベロッパーであることが言えると思います。
また、エマールの魅力として、ドバイだけではなく、サウジアラビア、インド、リビア、アメリカ、エジプト、トルコなどの海外でのプロジェクトも多く受注しており、中でも特に、サウジアラビアの政府系メガ経済特区のひとつである「キング・アブドゥラ・エコノミック・シティ」はエマールがメインデベロッパーとなって巨額の開発を進めています。
またインドの子会社「EMAAR-MGF」がIPOする予定などもあり、エマールの海外事業は、非常に大きなポテンシャルを持っています。
しかし、今年の初めに株価は大きく下落し、その後なかなか上昇しません。そのときの下落要因は、
●大幅な利益成長が期待されていたにも関わらず予想よりも低かった
●関連会社の米国不動産ジョン&レイングがサブプライムの影響を受けている
など、悪い材料が多かったために売られています。
エマールは、米国不動産ジョン&レイング社をサブプライム問題前に、高値で買収しており、同社の特別損失がエマールの業績に影響を与えています。
エマールはDFMインデックスに占める比重が大きい(時価総額第1位)ので、このとき、ドバイ証券取引所のインデックスも大きく下がりました。
また、サウジ・インドをはじめとした海外でのメガプロジェクトを多く抱えますが、完成して稼動開始するのが、2~3年後なので、大きなインパクトはまだ先です。そんな理由から、当分株価はフラットに推移していくでしょう。
また、1月のエマールのIRマネージャとのミーティングの中では、「海外での収益が今後3~5年かけて収益全体の60%を超えてくる」と言っていました。
基本的に増収増益でグローバル展開、ファンダメンタルズもよい企業で、ドバイ政府の強いサポートもあるため、その点も安心材料です。
ただ、同社の業績に大きなインパクトを与えるのはもう少し先ですので、ロングタームでの投資で数年は見守るかたちになるかと思います。
陸のエマールに対して、海のナキールも近日IPOを予定しています。この2社が、いまのドバイを象徴する不動産デベロッパーなのですが、近い将来、「世界から注目を集める不動産デベロッパー」になるのではないかと思います。
次回は、中東でもっとも高い信用格付けで格付けされている、ナショナル・バンク・オブ・アブダビ(NBAD)をご案内します。
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石田 和靖: ザ・スリービー代表取締役
年に十数回、香港・タイ・UAEなど各国を訪問し、
香港、タイ、ドバイ、サウジアラビアの証券会社にも太いパイプを持つ。
「海外投資に燃える同志が集まるSNS"ワールド・インベスターズ" 」を企画・デザインし、現在同社で運営中。